特別収容プロトコル:
SCPA-00374の存在は、SCPA財団が収容目的で用意した倉庫内に緊急に設置された酒蔵の中に封印されています。酔っ払い群れが出現した場合は、速やかに財団員による特殊作戦隊を派遣し、倉庫内での収容を試みるべきです。SCPA-00374が除去された後、倉庫内の構造物はすべて解体され、その場で焼却処分される必要があります。SCPA-00374の情報は財団員や保安員以外に漏れないよう、倉庫の警備は厳重に行われる必要があります。

説明:
SCPA-00374は、「酔っ払い群れ」として知られる、複数の酔っ払いたちから成る現象です。SCPA-00374が発生すると、周囲の温度が瞬間的に上昇し、次いで、5〜6人の酔っ払いたちが現れ、殴り合ったり、喧嘩を始めたりします。騒ぎは数十分から数時間続き、酔っ払いたちは最終的に「解散」し、周囲に散り散りになります。

SCPA-00374の酔っ払いたちは、非常に攻撃的かつ非協力的であり、人に対して暴力を振るうことがあります。また、SCPA-00374に所属する酔っ払いたちは、何らかの不思議な力によって一時的に無敵となり、攻撃を受けても傷つきません。報告書によれば、SCPA-00374に関連する騒動によって、これまでに数百人もの一般市民が死亡したり負傷したりしています。

SCPA-00374が現れるパターンや周期性は不明であり、特定の発生場所も存在せず、いつどこで発生するか把握することは難しいとされています。SCPA-00374の封印方法や本体の解析も困難なため、SCPA財団は、SCPA-00374の収容を目的とした特別作戦隊を設置しています。さらに、SCPA-00374の現象を目撃した者は、所属する財団員に報告するよう指示されています。

SCPA-00374は何らかの「原因」によって引き起こされると考えられています。それによりSCPA-00374の発生パターンや範囲、酔っ払いたちの人数や行動にばらつきがあるとされています。SCPA財団はSCPA-00374が発生する原因の特定に向けた、継続的かつ系統的な研究を進めています。現在のところ、SCPA-00374が発生する原因とそのメカニズムについては、明確な解明に至っていません。

SCPA-00374に関する研究の一環で、SCPA財団では酔っ払いたちが収録されたビデオ映像を解析し、その行動やパターンの分析を試みています。以下の報告書は、SCPA-00374に関する最新のビデオ分析の結果です。

【ビデオ分析報告書 00374-001】
SCPA-00374が発生した場所: 北海道の非公開エリア
酔っ払いたちの人数: 6人
発生時刻: 2020年 7月 15日 02:09
発生原因: 不明
発生から解散までの時間: 約45分
酔っ払いたちの行動:

• 02:09 - 酔っ払いたちが出現、周囲に暴れ回る。
• 02:17 - 酔っ払いたち同士が喧嘩を始め、殴り合ったり蹴り合ったりする。
• 02:32 - 喧嘩が収まり、酔っ払いたちが酒を飲むようになる。
• 02:51 - 酔っ払いたちが嘔吐したり、倒れ込んで眠り始めたりする。15歳未満、高齢者が含まれていることから、SCPA-00374の発生を人為的に引き起こす行為があったと推測されます。
• 02:54 - 酔っ払いたちが解散し、周囲に散り散りになる。

以上の分析から、SCPA-00374は特定の場所や時間、酔っ払いたちの人数や行動などに限定されるものではなく、あらゆる場所、あらゆる時期で発生する可能性があることが推測されます。SCPA財団では、今後もSCPA-00374に関する調査を進め、収容方法の改善に取り組むことが求められます。SCPA-00374が発生する原因については、SCPA財団内でも複数の仮説が検討されています。中でも最も有力な仮説の一つは、SCPA-00374が未知の超常現象と関連しているというものです。SCPA財団は、SCPA-00374の超常的性質を分析するため、現象を引き起こす原因となる「超常的存在」の特定に向けた研究を加速しています。

SCPA-00374には、酔っ払いたちによる暴力行為や物理攻撃以外にも、超常的な影響が確認されています。SCPA-00374の発生過程において、周囲の環境に異常な変化が現れることがあり、建造物や道路などが壊れたり、火災が発生することがあります。また、SCPA-00374に関わった一部の財団員たちは、SCPA-00374の発生場所を離れた後、一時的な記憶喪失や幻覚を経験することがあります。SCPA財団は、このような超常的な影響が発生するメカニズムの解明を急ぐ必要があります。

SCPA-00374は、あらゆる周辺環境に順応する形で発現するため、一部のSCPA-00374が発生した場所では、通常の場所と比べ異常な地盤変動や地殻変動が観測されることがあります。SCPA-00374が発生した後には、人々が立ち入ることのできない危険なエリアとなるため、確認作業や周囲の環境調査もSCPA財団特殊作戦隊によって実施されます。

SCPA-00374の存在は、多大な危険を伴うため、SCPA財団によって特別に収容・監視されています。SCPA-00374が発生した場合には、周囲にいる人々は全員避難を余儀なくされます。SCPA財団は、SCPA-00374の収容方法の更なる改善を進めることで、安全性の向上に努めています。ただし、SCPA-00374の発生原因や継続的なメカニズムの解明は、今後も継続的な調査と研究が必要な課題です。

補遺:
SCPA-00374の封印に関する不運な事故が発生したことをここに報告する。SCPA-00374が収容されていた倉庫の崩落事故により、SCPA-00374が外部に流出してしまった。擬態を解かれたSCPA-00374は騒動を引き起こし、緊急対応の遅れからSCPA財団員4名が死亡、15名が負傷する事故が発生した。加えて、SCPA-00374が所在不明という事実はSCPA財団の評判に対して打撃を与えることとなった。

SCPA財団は、この事故の教訓を引き継ぎ、SCPA-00374の収容方法の改善や、将来的な同種の事故を起こさないための対策、人員教育の徹底を実施しています。SCPA-00374の所在に関する情報の収集も再度強化され、現在も精力的な調査が継続されています。すべてのSCPA財団員には、SCPA-00374の封印に関する業務への取り組みとその重要性について周知徹底されていることを要求します。

注意事項:
SCPA-00374は、殺傷能力が非常に高く、市民の死傷者が度々報告されているため、取り扱いには特に注意を要します。SCPA-00374の出現現場では、財団員は可能な限り遠方から抑制するようにし、接近しての取り扱いは不適切です。SCPA-00374を扱う際は、護身具を身に着け、必要な装備品を準備し、最新の手順書を参照して実施してください。SCPA-00374から放出される放射線には、人体への影響が生じる可能性があります。そのため、SCPA-00374に対する介入作業中には、微量の放射線に曝露するリスクを最小限に抑える措置を講じる必要があります。

記録番号:
SCPA-JP-00374

報告者:
█████ ████████ 博士

承認者:
█████ ██████ 役員