SCPA-JP-00252 報告書

アイテム番号: SCPA-JP-00252

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル:
SCPA-A-JP-00252は原則として収容設備内部において、発生したカオス現象が隔離され、被害を最小限にする措置を携えた熟練職員の見張りの下に収容することとする。SCPA-A-JP-00252が使用される際は、同室に装備されている検証機器によってSCPA-A-JP-00252の出力量制御が行われるようにする。

説明:
SCPA-A-JP-00252は、発生したカオス現象を際限なく増幅させるオブジェクトです。SCPA-A-JP-00252は接続された電気回路を通じて外界からの電気エネルギーを取り込んでエネルギーを増幅するため、破損した回路やコンセントといった装置との物理接触によって、または通電やサージ攻撃など、SCPA-A-JP-00252に大きなエネルギーが加わることで発現する。

SCPA-A-JP-00252で発生するのは、宇宙論的現象、物理学的法則や偏差現象の異常（時空の歪み、宇宙背景放射の変動、量子力学のパラドックス等）、数学・記号論の確立されたパラメータ値や環境に依存しない新たな事象に、ここに限りなく接近するといわれる「カオス」と呼ばれるものです。このカオスは全ての享受者に抗して限界を失い暴走するため、SCPA-A-JP-00252は即座に隔離と抑制が必要です。

追加情報:
SCPA-A-JP-00252は、SCPA-A-JP-00344が製作した大型電源装置であり、SCPA-A-JP-00344の死亡によりSCPA-A-JP-00252発生が確認された。SCPA-A-JP-00252の制御に失敗した場合、SCPA-A-JP-00252は自律的に外部の物理的エネルギーに反応し、発生量を増大させる。特に、火花回路からの誘発に強く反応し、一部は遠隔操作によって故障する場合もあるため注意が必要です。

SCPA-A-JP-00252は、現在全国を対象に在宅勤務の推進に伴い、SCPA財団本部技術研究部により開発された社内向けの給電機器「AC-CUBE」に組み込まれた状態で販売されています。19XX年XX月XX日以降に販売されたAC-CUBEにSCPA-A-JP-00252の臨界値が確認されたため、当財団本部アイテム保管庫所内のSCPA専用収容設備に属する継ぎ手とフィルタといった特定部品をAC-CUBEから取り外すことによりSCPA-A-JP-00252の発生を阻止できることが確認された。これら特定部品の設置方法に関する取扱説明書は当財団本部内にて管理されています。

参照文献:
SCPA財団本部技術研究部「AC-CUBE仕様説明書」(20XX)(非公開)
SCPA-A-JP-00344閲覧記録(20XX)(非公開)

機密度のレベル:
Top Secret

注意事項:
SCPA-A-JP-00252の所持、保管、突合わせ、輸送、融合させること、AC-CUBEの改造および部品の修正、SCPA-A-JP-00252の調査の際、本報告書及びSCPA関連文書に基づいた適切な指導の下に行われること。SCPA-A-JP-00252から独立した二次コンディショニングの設定が必要であり、それによる対処は財団内のSCPA関連学説による規定に従って行われること。

記録番号:
SCPA-A-JP-00252出現特別調査簿-09341-12

報告者:
SCPA財団財団本部 技術研究部 主幹 稲生 彰

承認者:
SCPA財団財団本部 技術研究部 部長 田中 逸郎