特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00199は、保管の際には12m x 12m x 12mの観測室内の特定の位置に設置されなければなりません。この観測室は強固な現実安定化フィールドによって囲まれ、遮断されたエリア内にSCPA-JP-00199が存在することを確認する必要があります。SCPA-JP-00199は任意の液体を含む容器との接触を避けるため、観測室内にはSCPA-JP-00199を保管するための防水コンテナが用意されている必要があります。

SCPA-JP-00199の取り扱いは、いかなる職員であっても許可されず、実験の申請には3名以上のO5が同意する必要があります。液体の注入に際しては、1mlを超える液体の注入が禁止され、注入される液体の量は厳密に管理されなければなりません。SCPA-JP-00199に0.5ml以上の液体が付着することの防止を目的として、日常的な点検と観測室の水蒸気や湿度の監視が行われなければなりません。

SCPA-JP-00199が液体消失のための吸収反応を示す場合、直ちに観測室内の現実安定化フィールドを強化し、SCPA-JP-00199の周囲にいる全ての生命体の避難を行う必要があります。SCPA-JP-00199が異常を起こし、危険をもたらす可能性がある場合は、SCPA-JP-00199を即座にSRA(スクラントン現実錨)が81基配置された特設セルに移送し、適切な処置を施すようにしてください。

説明:
SCPA-JP-00199は、見た目がごく普通のマグカップですが、その特異性は内部の異常な機能にあります。このマグカップは600mlの液体を保持できる大きさを持ち、表面には"Welcome to Florida"という文字とフロリダ州の地図が描かれています。このマグカップに液体を注ぐと、その液体を消失させようとする作用を発生させ、周囲の現実子を大量に吸収します。

SCPA-JP-00199は液体を注ぐと、その液体を消失させるために周囲のヒュームを吸収し始めます。1mlの液体を消失するためには121hm(121ヒューム)を吸収する必要があり、その数値は液体の量に応じて指数関数的に増加します。したがって、SCPA-JP-00199に多くの液体を注ぎ続けると、周囲の現実が急速に崩壊し始め、最悪の場合には世界全体の現実が崩壊する危険性があります。

SCPA-JP-00199は非常に危険な特性を持っており、慎重な取り扱いが必要です。この異常なマグカップは保管時にも特別な注意が必要であり、任意の液体を注ぐことは絶対に禁止されています。SCPA-JP-00199は財団が保有する最も危険なアイテムの一つとして扱われており、その潜在的な脅威に対処するために厳重な収容が必要です。

追加情報:
SCPA-JP-00199は、その影響範囲が極めて広いことが特筆すべき点です。SCPA-JP-00199に液体を注ぐことで引き起こされる現実改変現象は、単なる周囲のヒューム吸収だけに留まらず、地域全体のヒューム値が吸収され、周囲の物質や生命体が持つ比較的に高い現実子が低い現実子に希釈され、分解されるという深刻な影響を及ぼすことが予測されています。

例えば、SCPA-JP-00199に10mlの液体を注いだ場合、その周囲では、
121 × 10^2 = 12,100hm
という、非常に膨大な量の現実子が吸収されます。

SCPA-JP-00199の影響範囲は容器内に収まらず、周囲に及ぶ危険性が高いため、常に監視と厳重な管理が求められます。

追加情報:
SCPA-JP-00199に関するさらなる研究や実験は事案00199-Eの発生後全てが禁じられています。

補遺:
事案00199-E
この事案において、SCPA-JP-00199に対して職員が過って実験用の水酸化ナトリウム水溶液を実験で注ぐ予定だった3mlを大きく上回る12ml分相当の水酸化ナトリウム水溶液を注いでしまい、結果としてSRAが1基破損する事故が発生しました。また、現実子の急落と急激な現実子の回復によって2名の職員が内臓への永久的な疾患を患いました。これ以降該当SCPAに関する実験は禁止されています。

注意事項:
SCPA-JP-00199の安全性が維持されているというのは、あくまで該当SCPAが財団の管理下にある状況においてのみです。もしこのSCPAが仮に何も知らない一般人の手に渡ってしまったり、あろうことかそのままマグカップとして使用してしまうと、世界の崩壊が引き起こされる可能性が非常に高いです。よって、このSCPAはサイト[非公開]ではなく、特別要塞化除外サイト[非公開]にて、機動部隊け-99「鋼鉄の工兵隊」によって24時間体制で保護されます。
追記：安全性がMatashiであるのはこのSCPAの発見当初に付けられた、異常性の全貌が明らかでなかった際に付けられたからです。現在はAyafushi(滅亡の可能性)に分類されています。サイトの表記変更の作業が現在進められています。

記録番号:
SCPA-JP-00199

報告者:
宮原竜彦レベル4研究員

承認者:
Site-81長官 桜庭将宏