特別収容プロトコル:
SCPA基地内のSCPA-01071の収容セルは、四方を厚さ2メートル以上の特製合金で構成された高さ10メートルの壁で囲まれています。セルへのアクセスは必要最小限に抑え、SCPA-01071への接触を避けるようにしてください。SCPA-01071のセル内部は月曜日の午前3時に自動的に消毒され、金曜日の午後10時に定期的な物品補充が行われます。SCPA-01071の監視は24時間体制で行われ、任意の異常活動が検出された場合は即座に報告してください。

説明:
SCPA-01071は、不定期に出現し、特定の場所や構造物を"忘却の迷宮"と呼ばれる異次元空間へと変容させる異常現象です。現象の発生時、影響を受けた場所は一種の迷宮状態となり、内部構造は常に変化しており、入口と出口の位置や形状は一貫性を持ちません。調査に当たった者は、迷宮の中で意識を失うなどしてしまい、その後行方不明となるケースが多数報告されています。SCPA-01071が発生した場所には、通常の手段では迷宮化を解除することが難しく、収容が困難な事象として扱われています。迷宮内部では、奇妙な生物や植物、幻覚的な光景が目撃されることがあり、さらに複雑な迷路やトラップによって探索者を惑わせます。SCPA-01071の正確なメカニズムや発生源についての研究は継続されていますが、未解明の点も多く、迷宮への侵入は慎重に検討される必要があります。

SCPA-01071の影響範囲は突然変異した生物や、通常では存在しない植物相が見られるという報告があります。迷宮内部では、時折、錯覚や幻覚を引き起こす異常現象が観測され、探索者は現実と夢の境界が曖昧になる状態に陥ることがあります。さらに、SCPA-01071に関連する活動は、周囲の時空にも影響を与える可能性が指摘されており、迷宮内での時間の経過が外部とは異なる速度で進むことが観察されています。この時間の歪みにより、探索者が迷宮内で長期間行方不明となる危険性が高まっています。また、SCPA-01071の発生パターンや消滅メカニズムについての研究は、依然として多くの疑問が残っており、安全な収容方法の確立に向けて継続的な分析と調査が求められています。SCPA-01071の特異な性質の一つに、迷宮内での感覚や記憶の操作が挙げられます。迷宮内に入った者は時折、自身の過去や未来に関する幻覚を経験することが報告されています。探索者は、迷宮内で遭遇する出来事が現実とは異なる時間軸に基づいていると感じることがあり、自己同一性の喪失や認識の混乱が生じる可能性があります。さらに、SCPA-01071の存在が記憶にも影響を及ぼすことが確認されており、迷宮からの脱出後、一部の被験者は迷宮内での出来事を忘れ、あるいは改ざんされた記憶を持つことが報告されています。このような記憶操作のメカニズムは未だ解明されておらず、SCPA-01071が操作する異空間が記憶の安定性にどのような影響を及ぼすのかについて、継続的な調査が必要とされています。SCPA-01071は、認識や記憶の安定性に深刻な損傷をもたらす危険性を秘めていると考えられており、管理・収容に際しては極めて慎重な措置が必要とされます。

補遺:
SCPA-01071に関する最新の調査により、迷宮内部において時間空間の歪みが観測され、この歪みが迷宮内での異常な現象を引き起こしている可能性が浮上しています。さらに、SCPA-01071から発せられる高エネルギーのシグナルが一部の情報端末や機器に影響を与え、記録の消失や改ざんを引き起こすことが明らかとなりました。このことから、SCPA-01071が存在する空間は物理法則に従わない異質な領域である可能性が高く、一般的な科学的理論や技術を用いた収容が困難であることが確認されています。今後の研究では、迷宮の謎を解明し、そのメカニズムを理解することに重点が置かれる予定です。SCPA-01071の収容と安全性確保に向けて、より効果的な対処策の開発が求められます。

注意事項:
SCPA-01071への接触や調査を行う際には、常に複数の調査員が同行し、安全な通信手段を確保してください。SCPA-01071が潜在的な危険を持つことが報告されており、迷宮内部での行動には極めて注意が必要です。さらに、迷宮内での時間感覚が歪んでいる可能性があるため、迷宮への探索を行う際には時間管理を徹底し、必要以上に行動を延ばさないようにしてください。SCPA-01071の影響下にある地域に外部者が不用意に近づかないよう、警戒態勢を整えてください。

記録番号:
SCPA-JP-01071

報告者:
研究員 山田太郎

承認者:
Site-81 サイト長 田中花子