特別収容プロトコル:

SCPA-573は、特定詳細が明らかにされていないボクシンググローブであるため、一般的なSCPAに対する収容プロトコルとは異なるアプローチが必要です。SCPA-573が収容範囲の内にある場合、SCPAの発生するタイミングに関わらず、担当職員による24時間体制の監視が必要です。SCPA-573の保管場所周辺には鉄壁のガラスが張られ、常に監督下におかれるようにすること。SCPA-573の保管場所から10m以内にいる者は、SCPA-573に対して危険を及ぼす言動をしないよう入念に監視されるべきです。SCPA-573が購入された場合、一刻も早くSCPA財団に引き渡されるよう、SCPA財団情報専門部隊による追跡が敢行されなければならない。

説明:

SCPA-573は、通常のボクシンググローブとほぼ同じように見えるが、使用経験者に異常な霊的現象を引き起こすという異常性を持つ。SCPA-573を着用した場合、使用者には極度な不安感が発生し、しばしば幽霊を目撃することがあります。SCPA-573の着用者は、幽霊譚に関連する不可思議な夢に苛まれ、何度も同じ夢を繰り返すことがあると言われています。加えて、着用者の周りには時折、幻影や突然の影のようなものが見えるという報告が、計数回以上されています。

SCPA-573が着用された場合、その影響範囲は着用者だけに留まらない。着用者の存在は、ドアが勝手に閉まったり、点滅している電灯、謎の音、書斎机の引き出しが勝手に開閉するなどの不可解な出来事の発生など、着用者の周りにある多くの物体や現象に影響を与えることがあると考えられています。

SCPA-573を着用すると、着用者はSCPA-573を取り外すまで独特な妄想症状に苦しむことがあります。SCPA-573の着用時間が長ければ長いほど、その病態が顕著に感じられることがあります。SCPA-573から着用者を解放するためには、SCPA-573の装着環境を取り除かなければならない。SCPA財団はSCPA-573を使用経験者に関する研究とその影響の緩和に注力し続けています。

使用経験者によるSCPA-573 の記述に基づいて、SCPA財団はこの異常現象の影響度を再評価し、ライトレベルを実施したところ、7以上の被験体のうち、SCPA-573による影響を受け、幻聴、妄想、自傷などによる影響が存在することが判明しています。SCPA-573による連続的かつ長時間の使用によって、服用者の精神的健康に非常に深刻な打撃が加わる可能性があるとして、SCPA財団はSCPA-573へのアクセスを制限することを提唱する。

SCPA-573の発生メカニズムはまだ解明されていないが、SCPA財団は幻想性障害、人格障害、軽度の緊張や自由不安の発生などにおいて、SCPA-573が重要な役割を果たしていることに留意しています。SCPA財団は引き続きSCPA-573に対する研究を調査するため、使用経験者から得られる情報を適切に集約するように努めるとともに、SCPA-573を着用同意書に署名する前に実施する全面的な健康診断を実施しています。

SCPA-573が発生する霊的現象の中で最も際立った特徴の1つは、着用者に対する持続的思考に由来するものです。SCPA-573の着用者は、幻想的な要素を含む同じ妄想を何度も繰り返すことがあります。一部の着用者には、異常なさえずり、手足を叩きつける、繰り返し首を動かすなどの精神的な反応が見られることがあります。

SCPA-573はサイキック的な原因が考えられ、SCPA-573の正体に関する情報が限られているうえに、SCPA-573が近代科学や技術によってより詳細に解明されることは望めない可能性があります。SCPA財団はSCPA-573の健康被危険に留意して、着用経験者が新たなリスクに晒されず、状況の改善につながる手掛かりを収集することに注力し続けています。SCPA-573を着用する際は、新たな影響を検証するため、詳細なプログラムに従ってSCPA-573を携帯して15分〜1時間程度の時間内に適用することが望ましい。SCPA財団の研究室のスタッフに続き、お客さまから得られた情報を結び付けて使用効果の分析を行っています。SCPA財団は、SCPA-573の全体像について理解を進めるため、SCPA-573の発生現場に出向いて、被験者の尋問調査、SCPA-573の使用期間確認、予想される現象の予測、設備監視などを行っています。

SCPA-573の問題さらに、SCPA財団ではSCPA-573の原因がまた異なる霊的現象に関連していると考えており、SCPA-573による幻聴、幻覚、直感などのまた別な現象を確認することを目指しています。さらに、SCPA-573を着用した場合、その影響は周りの同行者にも及ぶことが報告されています。着用者自身が体験した問題に加え、着用者の周りにいる人々にも影響が出る可能性があることから、SCPA財団はSCPA-573による影響の範囲の拡大を抑制することに取り組んでいる。

ボクシンググローブの形をしたSCPA-573は、究極的には使用後の劣化によって、SCPA-573に対する感受性が低減され、影響が減少することがあります。しかし、SCPA財団では、SCPA-573が使用された場合、劣化の可能性があることから、収容プロトコルを通じて厳密に管理しています。SCPA財団の指示に沿わない者には、たいてい厳しい罰則が与えられることになるため、SCPA-573へのアクセスを許可する重要性について、よりトーテックな姿勢が求められると考えられる。

補遺:

SCPA-573の関連研究は、SCPA財団によって継続的に進められています。SCPA財団の監視体制が強化され、SCPA-573の出現頻度は減少していると思われるため、SCPA-573による影響度を下げる試みが行われています。SCPA財団はSCPA-573の使用可能性と結びつけた、報告仕組みを拡充することで、性格障害、幻覚、パニック攻撃、自殺などについての調査を行っています。

SCPA-573に対する効果的な反対策開発を進めるため、SCPA財団は世界中の有名な研究機関との協力関係を維持しています。SCPA財団とのオンライン会議も多く実施され、SCPA-573による現象解明に向けた調査情報の共有、科学内の協調性強化に貢献するよう、関係者との協力を細心の注意をもって進めています。

SCPA-573による霊的現象の再現に挑戦し、成果を上げた研究者がいることから、SCPA財団は由緒正しい呪術的実験手法を駆使して、SCPA-573の根源から来る問題を解決することにも取り組み始めた。SCPA財団は、SCPA-573が誰かにとって引き金となっている場合、その人が原因ではない可能性があることにも後ろめたさを感じています。

SCPA財団は、「SCPA-573」を最終的に制御するために、原因を解決するアプローチに注力していきたいと考えています。以上のことから、SCPA-573に関する追加研究が必要であり、これからも、高レベルのエンゲージメントと科学的研究に於いて、SCPA-573の出現の謎を解き明かす活動を続けていく所存です。

注意事項:

SCPA-573は、その異常性から使用には細心の注意を要する。SCPA-573は、特定詳細が明らかにされていないため、取り扱いには注意が必要です。SCPA-573は決して人が着用してはならず、SCPA財団職員による24時間体制の監視下にある必要があります。SCPA-573を見つけた場合、そのすぐ上司に報告し、迅速にSCPA財団に引き渡すように指示される。

SCPA-573は重要度が高く、慎重に取り扱わなければならない。SCPA-573は高い霊的影響力を持つため、職員はSCPA-573が保管されるエリア周辺にいる場合、SCPA-573から10m以内で危険をおよぼす言動などを行わないように要注意です。SCPA-573は、特定詳細が明らかにされていないため、より詳しい情報を得ようとした研究が必要です。 SCPA財団は、SCPA-573に関するリスク情報の伝達を強化し、SCPA-573の影響力による被害の防止に取り組んでいる。

記録番号:
SCPA-A573-JP

報告者:
SCPA財団査読委員会 村越一郎

承認者:
SCPA財団日本支部支部長 緒方拓実