特別収容プロトコル:
SCPA-JP-01140は、安全な収容セル内で保管されます。収容セルは特殊な強化ガラスで覆われ、外部からの観察が可能となっています。SCPA-JP-01140の収容セルは人工的な環境制御システムにより常時温度を20℃に保ち、湿度を50%以下に保つように設定されています。SCPA-JP-01140の収容セルには常時監視カメラが設置され、監視員は24時間体制でその様子を監視し、異常な挙動が発生した場合には即座に対処します。収容セルへのアクセスは承認された職員のみが許可され、SCPA-JP-01140には直接触れることは禁止されています。

説明:
SCPA-JP-01140は一見すると特異な現象に見えますが、実際には非常に危険な特性を持つ異常です。SCPA-JP-01140は「向かい風」と呼ばれる現象であり、その影響を受けると、個体は恒常的にある方向へと移動し続けるようになります。この方向は被験者ごとに異なり、その理由や規則性は一切確認されていません。

SCPA-JP-01140による影響を受けた人間は、自らの意思に関係なく一定の方向に向かって歩き続けることになります。停止することはなく、休息や飲食の必要性も感じなくなります。この異常な状態は被験者に極度のストレスや恐怖をもたらし、長時間経過すると身体の疲労や栄養失調などの健康被害が生じることが確認されています。

SCPA-JP-01140の影響を受けた被験者を制御下に置くためには、特殊なリハビリテーションプログラムと定期的な心理支援が必要とされます。また、被験者が特定の方向に向かわないよう、周囲の環境を適切に調整することも重要です。SCPA-JP-01140の影響下にある者が外部への脱出を試みると、深刻な危険が発生する可能性があるため、常に警戒が必要です。

SCPA-JP-01140は、被験者だけでなく周囲の環境にも影響を及ぼす可能性があります。特に、SCPA-JP-01140によって影響を受けた者が集団行動をとる場合、その周囲の人々も巻き込まれる危険性があります。影響を受けた個体は周囲の障害物や人々にぶつかりながらも進み続けるため、彼らが通過する地域では混乱や事故が頻発する可能性が高いです。

さらに、SCPA-JP-01140の異常な性質は地形によっても影響を受けることが報告されています。例えば、SCPA-JP-01140の影響下にある者が壁や崖などの自然障害物にぶつかった場合、一部の報告では異常な現象が発生し、障害物が突如消失するなどの事例が記録されています。これにより、SCPA-JP-01140の収容および影響を管理する際には、周囲の地形や建造物の配置にも留意する必要があります。

さらに、SCPA-JP-01140の影響を受けた被験者の行動パターンには一部の変異が観察されており、特定の条件下で進行方向が変化するケースも報告されています。これにより、SCPA-JP-01140の異常性がまだ解明されていない側面があり、収容と研究に際して十分な慎重さが求められることが示唆されています。SCPA-JP-01140の影響を受けた被験者における精神的状態についても重要な観察が行われています。長期間にわたり特定の方向に向かわされることで、被験者は精神的に恐怖や孤独感を強く感じるようになります。常に同じ景色や環境だけが続くことで、被験者は時間の経過を把握しにくくなり、現実感覚の混乱や幻覚の発生も報告されています。

さらに、SCPA-JP-01140の効果が長期間継続すると、被験者の個性やアイデンティティに異常な変化が現れることが観察されています。一部の報告によれば、SCPA-JP-01140の影響下にある被験者は自己の意志や思考を失い、単なる「方向を向かう存在」としての性格が強調されるという事例が報告されています。

これらの現象から、SCPA-JP-01140は被験者にとって身体的だけでなく精神的な健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があることが示唆されます。被験者の安全性および心理的健康状態の維持には、リハビリテーションプログラムや心理支援だけでなく、人道的観点からも適切な配慮が必要とされます。SCPA-JP-01140の特異な性質を理解し、適切な対処が求められることは明らかです。

補遺:
財団内での実験および観察の結果、SCPA-JP-01140の影響下にある個体が特定の物体や場所に接触すると、その物体や場所も影響を受けることが判明しました。被験者が通過した通路や触れた物体は、一種の「方向エネルギー」を帯び、以後も被験者の進行方向と同じ方向に動き続けるという異常な振る舞いが観測されました。

この状況において、被験者が生身の人間である場合、その影響は比較的容易に制御可能であることが確認されましたが、SCPA-JP-01140によって影響を受けた物体や非生命体については、特殊な措置が必要とされます。SCPA-JP-01140の方向エネルギーを持つ物体は通常の手段では移動や停止が困難であり、それらの影響が拡大する危険性があるため、収容には十分な慎重さが求められます。

特にSCPA-JP-01140の影響下で移動を続ける方向エネルギーを持つ物体が重要な施設や機密情報を保護する装置に影響を及ぼした場合、それに伴うリスクや機密漏洩の可能性が指摘されています。この点において、SCPA-JP-01140の収容と研究においては物理的な対策だけでなく、情報漏洩や施設の安全を確保するための追加的なセキュリティ対策も同時に検討されるべきであることが示唆されています。

注意事項:
SCPA-JP-01140の近くにいる際には、十分な注意を払い、特にSCPA-JP-01140による影響を受ける可能性がある場合には適切な防護具を着用してください。SCPA-JP-01140の収容施設に入る際には許可を取得し、常に職員の指示に従うようにしてください。SCPA-JP-01140による異常な影響を感じた場合には、直ちに作業を中断し、安全な場所に避難してください。SCPA-JP-01140についての情報は必要最小限にとどめ、機密情報として適切に管理してください。

記録番号:
SCPA-JP-01140

報告者:
あ

承認者:
Site-81長官 欅原 彩