特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00226は一般的な人型アノマリー収容施設内で個室を与えられます。毎日正確な時刻に食料と水を提供する際には、収容施設内のカメラを用いて監視を行い、SCPA-JP-00226が摂取しているかを確認してください。また、定期的に精神的健康をサポートするために心理カウンセリングを提供してください。SCPA-JP-00226の日常生活には特段の規制は必要ありませんが、必要に応じて施設の職員が支援するようにしてください。また、彼女はイチジク、パセリ、ナスなどが苦手であるため、それらを使用した食事を提供することはあまり望ましくありません。

説明:
SCPA-JP-00226は東京都町田市で見つかった、一般的な人間とは異なる人工的な体内形成を持つ16歳相当の女性です。その外見及び身体的機能は人間とほぼ同一であり、さらに自己意識を持っており自らを「作られた存在」と認識しています。しかし、本人はさほどそれを気にしていません。SCPA-JP-00226は普通の日常生活を送る能力を持っており、自己維持のために食料や水を摂取する必要がありますが、その他に特別な要件はありません。SCPA-JP-00226は他の人型アノマリーとは異なり、危険性を示す兆候は見られません。したがって、彼女の収容は安全クラスに分類され、一般的な人型アノマリーの収容プロトコルに従って管理されています。

インタビュー記録：SCPA-JP-00226
インタビュアー：村山博士
インタビュー対象：SCPA-JP-00226(以下、対象。)

[前半は対象の緊張を解すための世間話であったため除外。]
村山博士：[笑い声]。ところで、そろそろ君の出で立ちについて語ってもらおうかな。まず、君はなぜ人工物で構成されているか分かるかい？
対象：はい。私は何処か、いや、漢字は分かるんですけど読みも分からなくて何処にあるか分からない場所で作られたことは覚えています。
村山博士：なるほど。場所は一旦置いておくとして、作られたというのは一体？
対象：なんか目覚めたら明らかに工場っぽい場所にいて。その時はなんとも思ってなかったんですけど、よく良く考えればあれは私が生まれたんじゃなくて作られたんだなって。
村山博士：ほうほう。君が「作られた」時からそこが工場というのは自覚していたのかい？
対象：いや、その時はそういう場所としか思ってませんでしたね。本当になんかこう、なんと言えばいいか分かりませんが急に新しい場所に解き放たれて分からない物がいっぱいあってどう表現すればいいか分からない……みたいな感じでしたね。
村山博士：なるほどね。工場で働いていた人達のことについて何か覚えているかい？
対象：いや、特に…………
村山博士：何か会社名とかバッジのようなものはあった？
対象：えー、どうでしたっけ……あー！あ！……あぁ……？[思い出したような仕草をした後、また考え込む]
村山博士：覚えていない？
対象：いや、あーいや！[悔しそうな顔]、分かる！わかるんですけど鮮明に思い出せません！あ、でも工場の職員さんとの話をしにまたその工場に戻った時の看板は覚えてます。
村山博士：なるほど。なんて書いてあった？
対象：……なんて読むんでしょうかねぇ……たしか、こんな感じだった気が……(ペンを用いて紙に「長万部」と書く。)
対象：なんて読むんですかこれ？ながまんぶ？
村山博士：これは"おしゃまんべ"って読む。北海道の地名だね。
対象：初見で分かるわけないでしょ！
村山博士：まぁまぁ。それで、どんな話を？
対象：えー、たしか……「このまま私たちと働くか、一般社会で普通の人間として働くか、どっちがいい？」って聞かれました。
村山博士：それで後者を選んだ……ということか。
対象：はい、そうだったと思います。
村山博士：それ以外に何か言われたことはある？
対象：あー、たしか……「君は他の人達に比べて感情が強いから、他の人と同じように扱うことは業務上できない」と言われました。
村山博士："他の人達"とは誰のことなんだ？
対象：私以外に作られてた人達ですね。彼らにも感情はありましたよ。ただ、私と違って何かに対して強い使命感は持ってましたが。
村山博士：なるほど。……他にも色々聞きたいが、少しばかり長引いてしまったから1度ここらで引き上げようか。協力ありがとう。
対象：いえいえ、とんでもないです。ところでちゃんと約束通り焼肉奢ってくださいね？
村山博士：欲に忠実だな、君は……
[インタビュー終了]

補遺:
SCPA-JP-00226に対するさらなるインタビューの試みが2週間後に計画されています。また、SCPA-JP-00226が後日に「思い出した」としてとあるロゴのようなものをA5用紙に描いて村山博士に提出しました。そのロゴには赤い日本列島が描かれており、その日本列島の下には「Japan Defence Unions」と記載されていました。

注意事項:
SCPA-JP-00226に接する際には彼女の個人的な空間や哲学的信念を尊重するようにしてください。彼女は自己を「作られた存在」と認識していますが、その考えに対する深堀は彼女から厄介がられるため控えてください。また、SCPA-JP-00226は一般的な人間と同様に人間の感情や精神を持っているため彼女の心理的健康に配慮して接するようにしてください。定期的な心理支援やコミュニケーションを通じて、SCPA-JP-00226の安定した状態を維持することが重要です。

記録番号:
SCPA-JP-00226

報告者:
村山博士

承認者:
Site-81 財団長 安岡 悠里