特別収容プロトコル:
SCPA-01174は、収容施設内の安全性を確保するため、一階建ての鉄筋コンクリート造りの個室に保管されます。SCPA-01174へのアクセスは必要最小限に制限され、常時監視カメラによる監視が行われます。SCPA-01174の個室は内側から鍵で施錠され、専用の警備員が配置され、24時間体制で警備を行います。SCPA-01174への接触は、指定された認証手続きを経て、許可を受けた職員のみが許可されます。SCPA-01174の研究や実験は、承認された研究者によってのみ行われ、必要な場合は生体認証が必要となります。SCPA-01174に関する文書やデータは、物理的にも電子的にも厳重に保管され、不正アクセスを防ぐための対策が講じられます。

説明:
SCPA-01174は、17世紀にフランスで製作されたとされる古代の魔導書です。その名は「グリモア・オブ・デスティニー」と呼ばれ、所有者に未来や運命を変える力を与えると伝えられています。SCPA-01174は革装丁で装飾が施された大理石の表紙を持ち、不気味な赤いインクで書かれたテキストが収められています。誰が所有していたのかは不明ですが、歴史的文献にはその存在が何度か言及されており、その力を巡る伝説が残されています。

SCPA-01174の効力は、所有者が特定の儀式を執り行い、特定の条件を満たすことで発揮されるとされる。報告された効果には、予知能力の向上、不運を払拭する力、他者の運命を操作する能力などが含まれる。しかし、これらの力は単なる幻想ではなく、確かな結果をもたらすという報告が多数寄せられています。SCPA-01174を用いることで一時的な成功を収める者もいたが、その後に訪れる運命の逆転や呪いに苦しむ例も指摘されています。

研究者はSCPA-01174の力を詳細に研究し、所有者に与える可能性のあるリスクを把握することに努めています。SCPA-01174はあくまで財団の管理下に置かれ、慎重かつ適切な取り扱いが求められています。その力を抑制し、可能な限り被害を回避するため、SCPA-01174に対する調査と収容は常に最優先事項とされています。

SCPA-01174は、その力に関する研究が進むにつれ、さらなる興味深い特性が浮かび上がってきています。研究者たちはSCPA-01174が持つユニークな特性の一部を明らかにしており、その中には記憶操作や意識の操作に関連するものも含まれています。

SCPA-01174を所有した者は、書かれたテキストを読むことで、他者の記憶に介入する能力を発現することが観察されています。具体的には、所有者がSCPA-01174から一部の文言を読み上げた場合、聞き手の記憶に情報を植え付けることが可能となります。この特性は、所有者が特定の目的や意図を持って使用すれば、他者の認識や行動に影響を与える可能性があることを示唆しています。

さらに、SCPA-01174が持つ意識の操作という特性についても興味深い発見があります。所有者が一定の儀式を行いながらSCPA-01174に触れることで、自身の意識を特定の対象にプロジェクションすることができるという報告があるのです。これにより、所有者は他者の意識に介入し、様々な影響を与える可能性が示唆されています。

これらの特性を含むSCPA-01174の能力は、その危険性と複雑さを増すものとして捉えられています。現在、これらの特性を制御し、適切に管理する方法に関する研究が進行中であり、SCPA-01174が持つ可能性を最大限に活用しつつ、安全性を確保するための取り組みが継続されています。SCPA-01174に関するさらなる研究により、この古代の魔導書が持つ奇妙な力の一端が明らかにされています。特に興味深いのは、SCPA-01174が時間に関連した特性を持つ可能性であり、未来や過去に干渉する能力についての報告が寄せられています。

SCPA-01174を保持する者は、一定の条件下で未来の出来事に関する予知能力を得ることができるという報告があります。所有者が特定の儀式を行い、SCPA-01174に触れることで、その所有者の意識に未来の断片的な情報が提示されるとされています。これにより、所有者は今後の出来事をある程度予測することが可能となります。しかしながら、これらの予知が必ずしも正確であるとは限らず、誤解を招くこともあるという注意が喚起されています。

さらに、SCPA-01174が過去に影響を及ぼす可能性についても研究が進行しています。報告では所有者が一定の手順に従いSCPA-01174を使用することで、過去の出来事を修正する力を得ることができるとの目撃例が報告されています。これにより、所有者が過去に介入することで、現在や未来に影響を与える可能性が示唆されています。

SCPA-01174が時間に対して持つこれらの特性は、その力が及ぼす影響の複雑性を一層増幅させるものとして捉えられています。財団はSCPA-01174の時間に関連した能力を含む全ての特性について徹底的な調査を行い、その管理と制御に努めることで、保有する危険を最小限に抑えるための対策を講じています。

補遺:
SCPA-01174の研究と実験が継続される中、SCPA-01174が持つ力の深層に迫る試みが行われています。最近の実験において、SCPA-01174に触れた際に出現する幻覚や幻音に関する興味深い発見がありました。所有者がSCPA-01174に触れると、不可解な幻覚や聞こえてくる声が観測されるという報告がなされ、さらなる調査が行われることとなりました。

これらの幻覚や声は、SCPA-01174が持つ力の一部を体験するために生じる現象である可能性が浮上しています。特に、過去や未来の出来事に関連した映像や言葉が顕著に現れるという報告が目立っており、SCPA-01174が所有者に与える影響の一端を示唆しています。さらに、これらの幻覚が所有者の心理状態に影響を及ぼす可能性も指摘され、関連する研究が進行中です。

今後は、SCPA-01174が引き起こす幻覚や幻音に焦点を当て、その意味やメカニズムについてさらなる解明を試みる予定です。これにより、SCPA-01174が所有者に及ぼす影響の理解が深まり、適切な取り扱いと管理につながることが期待されています。補遺として、これらの現象に関する調査結果や詳細な報告が随時追加される予定です。

注意事項:
SCPA-01174に接触する際は、慎重かつ慎重なアプローチを取ることが求められます。本SCPAは未知の力を持ち、所有者に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、取り扱いには特に注意が必要です。SCPA-01174によって引き起こされる現象や効果によっては、予期せぬ結果が生じる可能性があるため、実験や研究は必要不可欠な手順と検証を経て行われるべきです。さらに、SCPA-01174へのアクセスは、承認された職員に限定され、安全プロトコルを厳密に遵守しなければなりません。SCPA-01174の周囲では機密性を維持し、外部者や未承認者の接近を防止するため、警戒態勢を常に保つことが重要です。

記録番号:
SCPA-JP-01174

報告者:
研究員 山田太郎

承認者:
Site-81長官 田中花子