特別収容プロトコル:
SCPA-Ayafushi-00039は、聴覚に影響を及ぼすため、24時間体制で防音施設内に収容されます。防音施設からは外部に漏れる音があらかじめ消音処理をした上で、数種類の白色ノイズを流し続け、特別なイヤーマフとともに耳当たりのよい音波を与えることで収容してください。SCPA-Ayafushi-00039に接触する際は、特殊な防音用装備の準備を行い、4人以上からなる護衛チームによって慎重かつ迅速に実施してください。SCPA-Ayafushi-00039自体にあらかじめ消音処理を施して外に持ち出すことができますが、この場合は防音施設からの慎重で確認された手順に従って実行することを要求します。SCPA-Ayafushi-00039が突如発生した場合は、モバイル特殊収容チームが最寄りの施設まで迅速に到着し、現地の職員と協力して適切なプロトコルを執行してください。

説明:
SCPA-Ayafushi-00039は、普段は民放テレビ局で誤った配信事故によって発生したとされる謎の音声によって引き起こされる異常現象です。聴取した者は、強い強迫観念、不安感、そして恐怖感に襲われ、世界が終わるという感覚を抱きます。聴取後には、疲労、不眠症、妄想、自殺傾向など、精神的・肉体的な影響が現れる場合があります。

SCPA-Ayafushi-00039は、長時間の聴取によって被害が深刻化するため、消音処理やイヤーマフなどの保護をしなければなりません。聴取した者の影響による事件や事故に備え、SCPA-Ayafushi-00039が発生した場合には、MTFユニットによって迅速に対処することが必要です。

SCPA-Ayafushi-00039は、あらゆる手段を使っての確実な収容が求められます。SCPA-Ayafushi-00039が原因となる事物の全てを回収・破棄する際は、防音施設内での慎重な消音処理や、特殊訓練を受けた職員によって実行されることを推奨します。

SCPA-Ayafushi-00039の被害を示すレポートによると、暴力行為や自殺、そして犯罪などの悪影響が報告されています。さらに、SCPA-Ayafushi-00039が発生した国家の数も増加しており、219件もの事案が報告されていることが確認されています。

SCPA-Ayafushi-00039は、単に聴覚に影響を与えるだけでなく、記憶処理にも影響を及ぼします。聴取後の症状が、被験者の元々のメンタル状態や人格的傾向を大きく左右することが分かっています。そのため、SCPA-Ayafushi-00039の被害者は、善悪の判断能力や思考能力が低下し、行動能力を制限される場合があります。

SCPA-Ayafushi-00039の音声は、科学的に説明可能な信号であることが確認されましたが、聴取者に異常な反応を引き起こすことについては理解できていません。また、SCPA-Ayafushi-00039が作られた目的や意図もまだ解明されていません。

SCPA-Ayafushi-00039の影響を受けた個人に対し、SCPA Foundationは治療方法を提供するために取り組んでいます。しかし、SCPA-Ayafushi-00039の影響を完全に消すことはできておらず、被害者に生じた影響を抑制する治療にとどまっています。SCPA-Ayafushi-00039は、発生源が不明であり、音声信号の波形が常識外れの正確さであるため、一部の研究者からは超常現象として扱われています。SCPA-Ayafushi-00039を生成した原因を特定するために、様々な手法が研究されています。信号の解析、発生源の探索、そしてSCPA Foundationによる協力研究などが行われており、現在までに膨大な量の情報が収集されています。

SCPA-Ayafushi-00039による影響を回避するために、SCPA Foundationではさまざまな対策が行われています。一部の職員には、SCPA-Ayafushi-00039の音声に曝露された場合に自己回復するためのトレーニングが行われています。また、SCPA-500などの強力な薬品を使用することで被害を軽減することができることが確認されています。SCPA Foundationでは、SCPA-Ayafushi-00039を含むすべてのSCPAについて、最新の医療技術と科学技術を用いた治療法の研究を続けています。

なお、SCPA FoundationはSCPA-Ayafushi-00039を原因とする事件について、一切の責任を負いません。SCPA-Ayafushi-00039による影響や被害は、SCPA Foundationによる対策を行う前に起こっている可能性がありますので、自己防衛に努めることを強く推奨します。

補遺:
SCPA-Ayafushi-00039の遺伝子ミュージック（ジェネティック・ミュージック）版に関する報告書が最近発行されました。この版は、SCPA-Ayafushi-00039と同じ効果を持つサウンドを、ビクトリア朝期の知られざる貴族、ディオニュシアス・ドレスデン卿によって発明された遺伝子ミュージックプレーヤーを使って再生できることがわかっています。このプレイヤーは、遺伝子を操作することで特定の音符に干渉し、人間の身体に感情や意識を植え付ける新たな方法です。この版は、SCPA-Ayafushi-00039のサウンドに対する感度を持つ者に影響を与えるため、より重要な注意が必要とされています。

SCPA Foundationでは、SCPA-Ayafushi-00039に対する取り組みを継続しています。SCPA-Ayafushi-00039を想定しえる脅威に対する警戒にあたり、継続的な保護策が必要であると考えられています。SCPA-Ayafushi-00039が引き起こす効果に対する理解を深め、措置を行うことで、SCPA Foundationは人類にとって重要な役割を果たしています。

注意事項:
SCPA-Ayafushi-00039は、不適切な取り扱いによって、聴取者に深刻な損害を与えることがあるため、極めて危険な物体として分類されます。SCPA-Ayafushi-00039に接触する際は、特に注意を払って以下の事項に従ってください。

1. SCPA-Ayafushi-00039を直接聴取しないこと。必要に応じて、防音施設内での消音処理を施してください。
2. SCPA-Ayafushi-00039の所在地は、廃棄物処理施設が想定されている一方で、鉄道などの交通機関とも近いため注意が必要です。事故が発生した場合は、MTFユニットの調査を待ってください。
3. SCPA-Ayafushi-00039が持つ音声録音機能を使用してはならないこと。聴取者に損害が生じる恐れがあります。
4. SCPA-Ayafushi-00039を外部に持ち出すことは、慎重な計画とプロトコルのもと、特殊な手順でしか許可されません。これに違反した場合、鎮静化措置が実施されることがあります。
5. SCPA-Ayafushi-00039と直接接触する際は、SCPA-Ayafushi-00039の消音処理が施された特殊装備を着用し、4人以上からなる護衛チームによって行ってください。

記録番号:
SCPA-JP-00039

報告者:
穴川研究員

承認者:
上級研究員、安全管理局長