特別収容プロトコル:
SCPA-対象物"小さな幽霊船"は、Site-JP██の南側隔離エリアに設けられた港内のドック██に保管されます。SCPA-対象物はいかなる場合も海上に出航することを禁じます。24時間体制で監視カメラによる監視を行い、異常活動の兆候を検知した場合には自動警報システムにより関係者に通報されるようにしてください。SCPA-対象物の外部へのアクセスは、4名以上のレベル3職員の同意によってのみ許可されます。保有者の立ち入りを許可しないように厳重に管理してください。

説明:
SCPA-JP-01321は、通常の幽霊船の外観を持つ古びた小型船舶です。船体には錆びた穴があり、内部の装飾や家具も著しく劣化していますが、不思議なことに船の構造はどこか不安定でありながらも常に浮遊しており、水中に沈まずに浮く特異な性質を持っています。SCPA-JP-01321は海洋上を漂い、人々が遭遇すると幻覚や幻視を引き起こすことが報告されています。目撃者は、船上で過去の出来事が繰り返し再生される、亡霊や幽霊の姿が見えるなどの幻覚を経験することがあります。

SCPA-JP-01321の影響を受けた者は、船に引き寄せられるように船に乗り込もうとする傾向があります。船に乗り込んだ者は、幻覚や幻視によって精神的な影響を受け、しばしば正気を失うか深刻な精神病状態に陥ります。また、SCPA-JP-01321に囚われた者は船からの脱出が困難であり、遭遇した者の多くが行方不明となることが確認されています。SCPA-JP-01321からの影響を受けないように深海探査艇や警備員が派遣され、船が現れた際には周囲の海域を封鎖するようにしてください。

SCPA-JP-01321は、過去の記録によれば18世紀後半に活動していたと推定されており、その船籍や船員の情報はほとんどが失われています。現在のSCPA-JP-01321は魔術的な手法や異常な力によって操られている可能性が指摘されており、船自体が一種のアーティファクトや呪われた対象であると考えられています。

SCPA-JP-01321の船内には、時折現れる謎の記号や文字が確認されており、これらの記号には古代の呪文や不可解な言語が含まれることが報告されています。さらに、船内の一部エリアでは時間や空間が歪む現象が観測され、船上での時の流れが通常と異なる特異な状況が発生することもあります。

また、SCPA-JP-01321の周囲には海中から発する異音や幻聴、悪臭が漂うことがあり、船が現れると周辺の気象や海況にも異変が生じる傾向があります。さらに、SCPA-JP-01321を目撃した者の中には、長時間の記憶喪失や幻覚が持続するケースも報告されており、SCPA-JP-01321が持つ異常性の深い部分にはまだ解明されていない謎が多く残されています。SCPA-JP-01321の周辺における不可解な現象の一つとして、船が現れる海域における生物相の変化が挙げられます。SCPA-JP-01321が出現すると、周辺海域の生物に異常な行動や突然変異が見られることが報告されています。例えば、通常見られない深海魚が浅瀬付近に姿を現したり、海鳥や海洋哺乳類が異常な行動パターンを示したりすることがあります。また、SCPA-JP-01321の出現が引き起こす異常気象現象によって、周囲の気温や湿度、海流などが急激に変化し、通常では見られない自然現象が発生することがあります。

また、SCPA-JP-01321には一定の周期性が見られ、船が出現する頻度や場所には一定のパターンが存在することが確認されています。研究者たちはSCPA-JP-01321の出現パターンの分析を行いつつ、船の謎を解明するための取り組みを継続しています。さらに、SCPA-JP-01321が持つ異常的な性質が他の異常存在やオブジェクトとの関連性を持つ可能性についても検討が進められており、SCPA-JP-01321が未知の異常の鍵を握っている可能性も考慮されています。SCPA-JP-01321の持つ謎と不可解な性質に対する研究と分析は今後も継続される予定です。

補遺:
SCPA-JP-01321の調査および観察が進む中で、船自体が時間と空間に関する異常性を持っている可能性が浮上しました。船内部の航海日誌や船員の手記からの情報によると、SCPA-JP-01321は時折、現代から過去の時代や未来の時代へと突如として移動する現象が報告されています。さらに、船上での時間の経過が外部の世界とは異なる速度で進むことが観測され、船に閉じ込められた者が経験する時間の歪みも報告されています。

これらの発見により、SCPA-JP-01321が持つ時間空間的な異常性についての研究が強化されることとなりました。特に、船が時間旅行や異なる時空間の断片と繋がっている可能性についての検証が進められる予定です。SCPA-JP-01321が持つこのような異常性が、船が引き起こす幻覚や現象にどのような影響を与えているのか、今後の研究課題として注目されることでしょう。

注意事項:
SCPA-JP-01321に接近した場合、幻覚や幻視を経験する可能性があるため、船に近づかないようにしてください。また、SCPA-JP-01321に近づいた人員は即座に退避し、安全な場所に移動するようにしてください。何らかの異常活動が観測された場合には、直ちに警告を発し、関係者に適切な対処を命じるようにしてください。SCPA-JP-01321の周囲での研究や作業は、適切な防護措置の下で行う必要があります。船に乗り込むことや船内の探索を行うことは絶対に禁止されています。

記録番号:
SCPA-JP-01321

報告者:
Dr. ███████

承認者:
Site Director ███████