特別収容プロトコル:
SCPA-00609の所有者及びそれを所持する個人については、随時調査を行い、把握しつつ、情報公開を避けること。SCPA-00609の出現が確認された場合には、遠くから観察し（直接的接触は原則禁止）、発生状況及び所在地等の情報を収集すること。SCPA-00609の出現が過剰となる場合には、排除作戦を行い、修復作業を行うこと。収容者については、非常に脆弱な精神状態となっており、物理的・精神的なアプローチ及び、薬を用いた鎮静化は確実に行わねばならないこと。

説明:
SCPA-00609は現代に露出している異常な出来事の一つであり、出現場所の大小や発生頻度によっては、国家規模での被害が生じる恐れがあるため、高いレベルの警戒が必要とされています。SCPA-00609は、人間型の「笑顔の人形」が数千体から数百万体にも及ぶ数で出現する現象です。その出現により、周囲の社会インフラはほぼ完全に麻痺させられ、形あるものはすべて破壊されることが現時点において判明しています。SCPA-00609は、出現する地域の気候、文化、時代背景等によって特徴が異なることも報告されており、解明は難しいとされています。
SCPA-00609の出現については、多くの研究が行われているが、完全に解明されているわけではない。そのため、SCPA-00609が出現する前兆的な現象の発見及び、発生場所についての警戒体制が整備されることが望ましいとされています。SCPA-00609は、常に新たな情報をもとに調査が行われ、その防止に努められることが求められています。

SCPA-00609に関する追加情報が新たに発掘された。SCPA-00609の素材についての研究が行われた結果、SCPA-00609の材料は、有機的な素材（紙、布、木材等）と人工的な素材（プラスチック、ガラス、陶器等）の両方が含まれていることが判明した。また、SCPA-00609の出現傾向にも変化が観察され、出現数が急増する傾向があることが報告された。さらに、SCPA-00609の出現に伴って、動物の集団死が生じることがあることも確認されており、SCPA-00609出現による周辺環境の強い影響が示唆されています。
SCPA-00609出現時に際しては、周囲に侵攻するSCPA-00609を排除することが求められています。その際、SCPA-00609の材料を分解する実験等、その構成物質に着目することが求められています。SCPA-00609から抽出された素材の解析に関しては、安全性・応用性についての調査が不可欠です。SCPA- ファンデーションは、SCPA-00609の調査・解析に必要な予算と、適任者を補充して、より効率的かつ精度の高い調査の実施を目的に、予算の増額を要請するに至った。SCPA-00609について、関連するレポートが分析され、その出現傾向・背景について成因解明に年月を要するものが多いため、SCPA-00609に関するアウトリーチ活動や、SCPA-ファンデーションの関連組織との連携も評価されています。また、SCPA-00609未出現に関する情報の収集が求められるようになった。
SCPA-00609の出現によって生じた被害については、復旧作業と同時に、SCPA-ファンデーションの人員による情報遮断が行われるべきとされています。SCPA-00609の出現した場合、破壊された建物や物品の存在位置が明らかになり、SCPA-ファンデーションが周囲からの情報収集や調査を容易に行うことができるようになった。SCPA-00609本体の痕跡は慎重に処理し、SCPA-ファンデーション内部での調査が行われています。
SCPA-00609に関する中央の研究所は、SCPA-00609の分解とその素材の解析に関する研究が進められており、その解析の中で、SCPA-00609に材料的に含まれる物質から、SCPA-00609出現の原理に迫る可能性がある研究成果が発表された。SCPA-00609が出現する原因として、SCPA-00609を形作る材料が充分に準備される場所の確保であるとの仮定がなされ、その場合、各種原材料が集積しやすい郊外地域、都市型ショッピングモールなどが、特に高い出現率を示すことが示されています。これらの場所の基本情報を収集する取り組みが始まっています。
まとめると、SCPA-00609に関する新たな成果が出ており、SCPA-ファンデーションとしてのSCPA-00609に対するアプローチが多様化していることが分かりました。

補遺:
SCPA-00609の分析と研究を進める中で浮上してきた仮説が確認された。SCPA-00609出現目撃情報の収束傾向から、SCPA-00609が複製現象を引き起こし、その複製元が特定されているという仮説が提出された。複製元は、SCPA-フロンティアとの共同作業を通じて本国が特定した可能性があります。
SCPA-フロンティアとSCPA-ファンデーションの共同作業により、SCPA-00609が連動して発生するSCPA-10604との仮説が提出されています。SCPA-10604は、SCPA-00609を守るように存在すると考えられており、被害の広がりを抑制することが目的とされています。SCPA-フロンティアの研究集団は、SCPA-10604の研究成果に接触し、その研究成果を本国に提供することが提案された。SCPA-10604のきわめて先進的な技術、ならびにその境界を超えた存在、すなわちSCPA-転換過程（Convergent Phasing）を利用した研究は、SCPA-ファンデーションの様々な企画に有用な知見を提供できるとされています。
SCPA-フロンティアとの協力体制は、今後もより着実な展開が望まれる。SCPA-フロンティアによるSCPA-00609及びSCPA-10604の理解を更に深化させつつ、その影響からの保護および被害軽減、そしてそれらが元として作動する「転換過程」の研究を継続していく必要があります。

注意事項:
SCPA-00609についての情報開示を行う場合は、適切な調整を行った上で、語感や表現に留意し適切な配慮を行うこと。SCPA-00609の出現を目撃した場合は、周囲の個人に知られることのないよう、速やかに情報を伏せること。SCPA-00609に関する情報を保管する場合は、高い機密性を確保し、適切な記録の保持、流出対策を行うこと。SCPA-00609の実験については、最も慎重な手順のうち、許可された研究者たる者のみが実験を行えるよう、確実に管理すること。

記録番号:
SCPA-JP-00609

報告者:
████████博士

承認者:
███████博士