特別収容プロトコル:

SCPA-441は、収容中も絶えず音を発して暴れるため、特別なケージに収容されることが必要です。ケージは、厚さ20cmの特製鋼鉄板で構成され、特殊素材製のジェルで塗り固められた内部に防音材が敷きつめられています。SCPA-441は、決して常に止息していないため、手動で強制的に安定させる薬剤投与が必須となります。SCPA-441の収容終了時には、ケージとその内部防音材の全交換が極秘裏に行われるように指示されています。

説明:

SCPA-441は、聴覚的影響をもたらす非常に危険な物体です。SCPA-441は外見上、通常のスピーカーシステムに類似した白い箱からなっていますが、閉じ込められた生命体(大抵は人間)の叫び声から特殊な位相反転および周波数圧縮を施し、高レベルにフィルタリングしたものが再生されます。

聴覚に直接反応するため、音の大きさや振動が生じません。ただし、SCPA-441による十分に長時間の看視結果、生体反応が観察されています。SCPA-441の音は、長時間の曝露で攻撃性や妄想、幻覚を引き起こす可能性が高いため、職員については聞き取ることを禁止します。

SCPA-441の被験者には、通常劣悪な健康状態、飢餓、断水、または干ばつなど、極限状態が設計され、更に長時間のSCPA-441による暴力的な聴覚攻撃に晒されます。SCPA-441と同じ柔軟なボイス制御システムの利用方法は、状態が最も脆弱な被験者の死を招くことであり、さらなる実験は中止されています。SCPA-441についての任意の意図的な暴露は、適切な専門員によって管理され、完全に禁止されています。

SCPA-441は、おそらくプロジェクト長の秘密プロジェクトの一部として研究されていたと考えられています。報告では、SCPA-441が生命体から摂取した「音声エネルギー」をエネルギー源として再生できると記載されています。SCPA-441を開発した科学者は当初、音声エネルギーを新種の発電機のために使用することを期待していました。SCPA-441は、計画が放棄された後に消えたが、別のSCPAに混入している可能性があるため、調査が必要です。

SCPA-441にはフェムト秒レベルの位相反転によるフィルタリングが施されており、生きた人間に類似した音声以外にも、動物の鳴き声や交通音、環境音等も再生される可能性があります。SCPA-441は、音声エネルギーを「消費」することができるため、数時間壊れずに稼動し、高い透過率の物体や障害物を突き抜け、障害を跳ね返し、または消すことができます。システムは、職員が許可されたエリア外に入る前に停止するように設計されています。

SCPA-441は、クラスC監視対象物として保管され、中央保安所の110号室にある施設で保管されています。SCPA-441の制御は、公式命令によってのみ行われ、SCPA-441に接触したほかのSCPA情報の暴露を防ぐために、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員にのみ許可されます。SCPA-441による聴覚攻撃は、最高司令官によって裁定されるレベル5の緊急プロトコルで防御されています。SCPA-441の再生モードが切り替えられることが最近判明しました。これまでの再生モードは「絶望」と「壮大」の2つでしたが、新たに「陶酔」モードが追加されました。陶酔モードでは、SCPA-441から発せられる音量が低く、柔らかい白雑音に近いため、長時間の聞き取り作業に適しています。これは、研究者がSCPA-441から最大の効果を得るために、より熟練した操作を行うために設計されたものです。

SCPA-441が提供するエネルギーには、一般的なエネルギーソースとは異なる特異性があります。エネルギーソースは、人体内部に存在する角質、皮膚、骨、髄液、脳などのような「生体物質」から含まれる一部のバイオエネルギーに対して強い反応を示します。SCPA-441から生体エネルギーを抽出する研究は現在、公式に放棄されていますが、おそらく他のSCPA連携の新しいサブプロトコルを構築するために再び引き出される可能性があります。

SCPA-441に直接耳を当てなくても、音響エフェクトによって生じる不安、不快感、不調を観察できます。聴力検査、耳鳴り、可聴域の停滞、あるいは精神状態の変化などが挙げられます。SCPA-441の設置場所では、高性能の音響シールド装置が必要となります。これは、周囲の生活環境に影響を与えないように、音の漏れを遮断するためです。SCPA Foundationでは、SCPA-441の後処理器、暴力的な行動や人体の衝撃に耐えうるように強化された「ブラックボックス」と呼ばれる防音化された装置を特別に設計しました。

補遺:

SCPA-441の研究では、生命体エネルギーの抽出が研究対象だったことから、その実用的な応用についての留意事項が重要視されます。SCPA-441によって生体音声からエネルギーが抽出される過程によって、副次的に脱水症状、栄養失調、ホルモンバランスの変化、血糖値の低下、あるいは脳疾患などの健康上の問題が発生する可能性があると報告されています。

SCPA-441を監督する職員が、SCPA-441により生じる危険な生体反応を抑制するための計画的な方法が検討されています。この問題を研究するための慎重で統制された研究が、厳格な倫理規定下で実施されています。

SCPA-441は、誤って収容された場合、長時間にわたって再生を続け、さまざまな健康上の病気を引き起こす恐れがあります。SCPA Foundationは、SCPA-441が公の場に流出することを決して許可せず、SCPA-441を発見した場合は、公的な報告を行わず、直ちにSCPA Foundationの拠点に通報するよう求めています。

注意事項:

SCPA-441に触れず、またSCPA-441の音響を聴くことを禁止します。SCPA-441は、聴覚過敏症、精神疾患、またはエピレプシーのリスクがあるため、十分に訓練された専門家のスーパーバイジョン下で扱う必要があります。SCPA-441の分析、修復、または伝達を試みることは、SCPA-Foundation内部の特別慣行に従って行われ、雇用された職員以外のものは完全に禁止されます。SCPA-441が外部に流出した場合、すぐに特殊な黒鉛爆弾を利用してSCPA-441とその周辺を平定するように指示されており、適切なプロトコルに従う必要があります。

記録番号:
SCPA-JP-00441

報告者:
SCPA Foundation特殊物体・文書調査官、██████博士

承認者:
Site Director, ██████ ████████