特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00036(以下「輝石」と呼称)は特別な施設に収容してください。施設は3層の物理的隔壁、及び防塵、防放射線、防音、断路などの装置を設置すること。輝石は個人の手に渡らないように、2人の承認をもとにした指定エージェントにのみ扱うことを許可し、報告を行なうこと。輝石が地表より10m未満の深度まで埋まっていることが報告された場合、直ちに現地に突入して情報を収集すること。

以上がSCPA-JP-00036の特別収容プロトコルです。

説明:
SCPA-JP-00036(以下「輝石」と呼称)は、とても美しく輝く宝石です。ただし、その愛らしい姿とは裏腹に、恐ろしい異常性を持っています。

輝石を土に埋めると、半径2km圏内で、どんなに不毛な土地でも農作物の成長速度が著しく増加し、作物を育てることができます。この効果は何度も確認されています。

しかしながら、その効果の代償として、範囲内に住む住民から、ランダムで複数人がアルツハイマー型痴呆に似た非可逆的な脳萎縮により年齢に関わらず平均一週間以内に死亡するという恐怖の現象が報告されています。そのため、輝石が発見された場合は、上記の死亡現象と引き換えに強力な作物生産力を発揮するため、特別注意が必要です。

さらに、輝石を土に埋めた範囲内に人がおらず、そして十分な注意を払わないまま輝石を埋めた場合は、効果の範囲が飛躍的に拡大し、犠牲となる住民の数が、指数関数的に増加します。

最近、新潟県で大量の不審死が発生した為、当財団は加害者を探索するため、被害者が入手していた民俗資料などを収集した結果、この種の現象が過去に報告されており、輝石にまつわる異常性が発覚しました。

輝石にまつわるさらなる追加情報として、SCPA-JP-00036の作用についての検証が進んでいます。特に、輝石の持つ作物生産力に注目が集まっており、被験者に輝石を口に入れてもらい、その後に何かを食べるように指示する実験を実施しました。その際も作物の生産量が想像以上に高まることを確認しました。

一方、この輝石の基礎データについては、まだ不十分といわざるを得ません。特に、輝石が生き物等に及ぼす影響については十分な検証が行われていません。そのため、輝石によって引き起こされる現象と、その影響が及ぼす範囲については良く分かっていません。

さらに、この輝石の発見についても興味深い報告があります。輝石が発見される直前には、何者かがその土地を故意に荒らし、輝石が発見されることを見届けていたと考えられていました。しかし、弊団体のアグレゲートレポートを基に、この推測は不適切であることが判明しましました。今後の詳細な調査を進める予定です。SCPA-JP-00036は、肉体に対する異常現象に引き続き、精神にも異常な影響を及ぼすことが報告されています。発生する現象は功能増加障害と呼ばれ、ある種の知能や能力が急速に増大することが報告されています。これは、さまざまな作用が影響し、通常の生物学的過程を強制的に促進することで現れるようです。このような効果は、前向きな影響である可能性がありますが、健康リスクがあるため、この力を制御する方法を調査する必要があります。

このような健康リスクは、輝石を含有する土地で作物を栽培することによっても発生することが判明しています。報告された副作用の大半は一時的ですが、効果が持続する場合には深刻な懸念事項となります。最近の報告では、放射脳症または放射性物質暴露に類似したルートで効果が発現することが判明しました。これらのリスクにより、SCPA-JP-00036の取扱には強化された生物学的、化学的、物理的制御が求められるものとされています。

さらに、輝石の効果を回避するための対策は研究されていませんが、現在のところ、報告されたリスクは限定された範囲に留まるものと考えられています。しかし、これらのリスクを最小限に抑えるためには、輝石の効果を正確に理解し、最善の戦略を確立する必要があります。SCPA-JP-00036に対する継続的で多角的な調査が計画されており、新たな報告が現れ次第、追加の情報提供がされる予定です。

補遺:
SCPA-JP-00036の特異性は、近年になり、弊団に寄せられる匿名の通報件数が増加していることによって明らかになりました。殆どの場合、報告の多くが噂や都市伝説、揶揄や心配の種に過ぎませんが、中には真実である場合もあります。現在のところ、輝石の位置は適切に管理されているようですが、いかなる状況でも危険を排除できないことに注意が必要です。

報告された新しい補完情報の1つに、SCPA-JP-00036が単に農業を高めるだけでなく、周囲の地質学的構成に影響を与える可能性があることが判明しました。輝石の精神的な影響と比較して、この効果は周辺地域およびその生態系に対する深刻な変化をもたらすため、さらなる検証が必要です。

この輝石を取り扱う場合は、なるべく早期に受刑者の処理と、輝石の確保が必要です。受刑者による輝石の密売に注意をしつつ、もし見つけた場合は直ちに処分することが必要です。

以上がSCPA-JP-00036に関する補遺です。

注意事項:
SCPA-JP-00036(以下「輝石」と呼称)を扱う際には、以下の注意事項を順守してください。

1. 輝石は、指定エージェントの2人の承認を得て、施設内にて扱うことを許可されるものとします。指定されていないエージェントまたは無資格の者による扱いは禁止されます。
2. 輝石を埋める場合には、土中深度の測定と地下情報の把握が必要です。また、隣接する住民に対する協力が必要です。調査を怠ることは、重大な事故が発生する原因となります。
3. 輝石を埋めたことにより住民が被害を受けた場合、当財団は責任を負いません。また、輝石により引き起こされた人的被害の賠償も一切行いません。
4. 輝石は人体への直接的な接触を避け、手袋およびマスクの着用が必要です。また、装置の設置や使用方法に関しては、専門の技術者による指導が必要です。
5. 輝石の詳細な情報の管理は、当財団が設置する通信機関を使用すること、そして情報の漏洩を防ぐため、指定されたパスワードで暗号化されることとします。また、輝石内部構造へのアクセスは、指定エージェントのみが行えるように専用の鍵が設定されています。

以上がSCPA-JP-00036の注意事項です。

記録番号:
SCPA-JP-00036

報告者:
冠王研究員

承認者:
O5評議会