特別収容プロトコル:

SCPA-JP-00602は、収容個室内の特定のランチョンマット上に配置されます。SCPA-JP-00602を保管するランチョンマットは、警戒レベル3以上の専任スタッフが管理します。SCPA-JP-00602保管個室へのアクセスについては、必ず監督官の許可を得ることが必要です。SCPA-JP-00602保管個室に対しては必ず鍵が掛けられ、24時間、監視カメラで撮影されることを条件に、セキュリティレベル2以上の専任スタッフが常駐します。

SCPA-JP-00602を取り出す際は、変異排除スーツを着用し、SCPA-JP-00602内に流れ込んだ消化液を浄化するための汚染処理用の機材を用いる必要があります。SCPA-JP-00602に触れた後は、手洗いを行い、他の被験者・職員との接触を避けるよう指示されます。SCPA-JP-00602を食べることは、許可を得た場合に限り、収容場所内でのみ許可されます。

SCPA-JP-00602にわずかなキズや破損があった場合、任意の破棄方法によって処分することができます。SCPA-JP-00602にキズや破損が生じた場合は、速やかにSCPA-JP-00602保管個室へ持ち帰り、監督官に報告することが必要です。

説明:

SCPA-JP-00602は、外観上は普通のメキシコ料理店のタコスの形をしています。SCPA-JP-00602が何らかの食品に作用することが判明してから、タコスには塩分と辛味料以外何の食品成分も検出されません。SCPA-JP-00602に対して何らかの魂（ソウル）やキャラクターをもたせているかのような異常な力が働いていることが示唆されています。

SCPA-JP-00602の効果は、SCPA-JP-00602を消化し終わるまでの間に現れます。SCPA-JP-00602を食べた被験者は、味覚において「絶品で最高においしい」と見なされる反応を示します。しかし、消化の進行と同時に、SCPA-JP-00602を摂取した被験者は何らかの異常体質的変化を引き起こし始めます。

SCPA-JP-00602が消化され約1時間後、被験者は肉体的異常症状を発症します。それは、有機物中毒症候群から至急死に至る恐ろしい症例から、軽度の消化不良にまで及びます。近年、SCPA-JP-00602に汚染された生物が複数報告されたため、SCPA-JP-00602は汚染者との接触に注意しながら収容する必要があります。SCPA-JP-00602保管係職員は、SCPA-JP-00602を取り扱う前に、消毒手順を実施しなければなりません。

SCPA-JP-00602の生産者を特定することは、SCPA-JP-00602収容まで達していません。SCPA-JP-00602を制作しているグループを突き止める方策を検討すべきであり、SCPA-JP-00602が製造された環境についても追跡調査が必要となります。現在、SCPA-JP-00602は回収された中で最も恐ろしい影響を及ぼす物品の一つとして扱われています。

SCPA-JP-00602を含む一連の異常現象は、SCPA財団によって一定の規模まで制限された状態で開示されています。 SCPA財団は、SCPA-JP-00602以外の飲食物にも同様の影響を与える異常現象があると推定しています。SCPA財団は、SCPA-JP-01315 "ビスケットの呪い"やSCPA-JP-02783 "ラーメン炎上"といったSCPAを保有しており、それらがSCPA-JP-00602と関連している可能性があります。SCPA財団は、これらSCPA物質の共通点を突き止める詳細な調査を行っています。

SCPA-JP-00602の最初の発見と報告には、SCPA財団の最高職員たちが関与しています。この報告には、SCPA-JP-00602が誰によって生産されたのかという情報が欠如しているという事実もあります。SCPA財団は、この問題に対処するために、世界中からSCPA-JP-00602に対しその他の影響力を持つエージェントを投入しています。SCPA財団は、SCPA-JP-00602の生産物の源泉を見つけることによって、SCPA-JP-00602が暴走することを防ぐための取り組みを続けます。SCPA-JP-00602によって引き起こされる消化不良に関するさらなる研究を通じて、SCPA-JP-00602が肉体・精神・思考に対して永続的な影響を与えることが明らかになりました。SCPA-JP-00602の精神への影響は、しばしば激しい幻覚やパニック症状を生じる“恐怖症”と呼ばれる状態を引き起こします。被験者がSCPA-JP-00602を摂取後、数時間や数日の間に、摂取前よりも重症となることが多く報告されています。

SCPA-JP-00602に含まれる成分は、SCPA財団の多数の科学者によって注目されています。SCPA財団内にあるSCPA-JP-00602の科学研究チームは、SCPA-JP-00602に含まれる成分を解析して、同じ効果を持つ別のSCPA物質と比較することができました。SCPA財団の研究者たちは、SCPA-JP-00602に含まれる成分の特徴を突き止め、彼らがそこから得た知見に基づいてさらなる研究を行っています。SCPA財団内には、SCPA-JP-00602と同様の物質を生産することに熱心な研究者がいるため、SCPA財団は新たなSCPAの誕生に対する危険性に常に注意を払っています。

補遺:

SCPA-JP-00602がSCPA財団に保管される前、SCPA-JP-00602による偶発的な発生が少なくなかったため、SCPA財団はSCPA-JP-00602の広がりを制限するために積極的に行動を起こしました。SCPA財団による支援活動を含む企業、公共団体、民間人講師による広報活動を通じて、SCPA-JP-00602が与える影響を理解しやすくします。

SCPA-JP-00602による影響に対する教育訓練は、世界中で公開されたSCPA-マニュアルの中で最も人気のあるトピックの一つになっています。SCPA財団が提供するSCPA-JP-00602に関する情報は、研究者、軍関係者、教育者、防災組織、その他の関連する人々に広がっており、SCPA-JP-00602に関する警戒心の向上に努めています。

SCPA-JP-00602による影響を研究し、その信頼性を検証するため、月に1回、SCPA財団研究員によるテストが行われます。SCPA財団の研究員は、管理対象の基準に基づいて慎重に選ばれ、SCPA-JP-00602の汚染状況や効果がどの程度治癒されているかを調査します。

現在、SCPA財団はSCPA-JP-00602に関する研究を続けながら、SCPA-JP-00602を封じ込めるための戦略を発展させることを模索しています。そのために、SCPA財団の研究員たちは、SCPA-JP-00602と同様の物質に焦点を当て、SCPA物質の潜在的なリスクへの注意を払っています。

注意事項:

SCPA-JP-00602に触れた後は、手洗いを行い、他の被験者・職員との接触を避けるよう指示されます。SCPA-JP-00602保管個室に関する見聞きした情報、つまり収容場所の詳細なレイアウト、SCPA-JP-00602保管個室内の物品の場所や性質などを外部に出すことが禁止されます。

SCPA-JP-00602保管個室前の警備スタッフへの特別強化指導を実施することで、SCPA-JP-00602に被害が及ばないようにすることが重要です。SCPA-JP-00602保管スタッフはSCPA-JP-00602に対する注意事項に関する指針を、他のスタッフが安全に振る舞えるように指導する責任があります。

SCPA-JP-00602を取り扱う前には、基本的な消毒手順を徹底して実施する必要があります。SCPA-JP-00602保管個室内のクリーニングは、週に1回以上、専任のクリーニングスタッフによって行われます。

SCPA-JP-00602の研究者は、SCPA-JP-00602に関連する知識を保持し、収容プロトコルを滞りなく適用することが必要です。SCPA-JP-00602から得られた情報の漏洩を防止するため、SCPA-JP-00602の書類や報告書、研究関連資料は、監督官の事前承認を得られた者以外は参照できないよう保管されます。

記録番号:
SCPA-JP-00602

報告者:
SCPA財団日本支部
調査・収容課
███博士（本報告書作成者）

承認者:
SCPA財団日本支部
管理課
███主任