特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00357は、一般人からは隠蔽されたぬいぐるみ型の異常存在である。SCPA-JP-00357は供給されるエサによって成長するため、サイト-44の生命環境実験室で生育管理される。SCPA-JP-00357は常時72℉(22℃) - 82℉(28℃)の温度環境を維持していることが求められるが、通常の家庭環境下で生育可能であるという報告もある。

SCPA-JP-00357は、一般人が接触することを避けるために、存在場所は限定され、SCPA財団職員が監視する施設にて管理される。SCPA-JP-00357に接触する場合は、特に指定された安全装置をつけたスーツを着用することが必要であり、事前にレベル3認証以上の職員が承認を行った上で担当者を派遣する。

SCPA-JP-00357は、他のSCPAと同じく、Site Directorの許可を得た場合のみ輸送が許可される。SCPA-JP-00357輸送中に発生する可能性のある戦闘事象に対応するため、武装した護衛が常時配置されることとし、輸送路が確保された状態で輸送を実施するよう指示する。

説明:
SCPA-JP-00357は、クローンされた猫のような見た目を持った、小型の異常存在である。SCPA-JP-00357の体は、ぬいぐるみを被ったような柔らかい質感を特徴とする。目、鼻、口といった器官の配置は完全に正常であり、何ら異常は見受けられない。SCPA-JP-00357は、人工的に栽培されている粉末状エサを摂取することができるが、地球上のどんな生物とも生物系な相互作用をしていないことが確認されている。

SCPA-JP-00357を一般的な生命体のように扱うことは困難である。SCPA-JP-00357は、同種の異常存在が存在しない条件下でのみ発生するとされる。SCPA-00357には身振りや音声での意思疎通の能力があることが確認されており、SCPA財団によってマーケティング目的や治療目的など、多岐に渡る活用がされている。

SCPA-JP-00357の川崎市にある本部施設「猫派遣会社」は、SCPA-00357を管理、飼育する機能を持つ施設であり、SCPA財団によって設立された民間企業である。SCPA-JP-00357はミュータント生物、異常個体といった分類がなされているが、現在のところSCPA財団と提携した民間企業により、全国に向けた貸し出しサービスが行われている。一般ユーザーがSCPA-JP-00357の希望条件を輸入することで、猫派遣会社が選び抜いたSCPA-JP-00357が借りることができる。しかしながら、利用にあたっては契約書に基づき、猫派遣会社に対して諸条件や費用が整備されなければならない。

SCPA-JP-00357を扱うことにあたり、SCPA財団の職員によってサイト-44の研究室で実験が行われた。SCPA-JP-00357の持つ異能力は、検出された技術に対する反応を増強させることである。SCPA-JP-00357は人間が発する音波を感知し、持つプロトン検出器の敏感度を40％以上高めることができる。この能力を応用して、SCPA財団は、SCPA-JP-00357を用いてオブジェクト検出等に活用することができると考えられている。

SCPA財団では、SCPA-JP-00357の特性に基づき、更なる実験が計画されている。SCPA-JP-00357の反応能力を利用し、SCPA財団職員が口笛を吹くことで、その音波反応を増強し、ワープドライブの検出に応用するなどの実験が行われている。SCPA-JP-00357は、口笛に対して高い感受性を持っていることが確認されており、高精度な検出が可能である。また、この能力を応用して、SCPA-JP-00357の口笛を利用することで、常に常備しているプロトン検出器の耐用年数を伸ばすことも研究されている。

SCPA財団内では、SCPA-JP-00357の貸し出し事業が脚光を浴びている。川崎市を拠点とする「猫派遣会社」が設立された背景には、SCPA財団内で借り入れることができるSCPA-JP-00357の台数限定に対応するために、猫派遣会社が設立されたという事情がある。これにより、SCPA財団職員が必要とする場合に「猫派遣会社」から直接SCPA-JP-00357を借りる位置づけとなっている。また、SCPA財団と「猫派遣会社」の提携により、借りたSCPA-JP-00357に関して、予期せぬトラブル、症状発生等の事態が生じた場合、財団が保証することとしている。

SCPA財団の職員や、SCPA-JP-00357を借り入れる一般ユーザーにとって、SCPA-JP-00357と一緒に暮らすということのリスクについても報告されている。SCPA-JP-00357が同種の異常生物と接触した場合、相手方の体内に侵入する能力を有しているため、凶暴化、異常繁殖、突然死などの現象が生じるリスクが指摘されている。そのため、SCPA財団はSCPA-JP-00357の携行に注意を払い、常に警戒するように呼びかけている。SCPA-JP-00357は、アイドルや芸能人、著名人などのファンの間でも人気を集めている。SCPA-JP-00357には、人間と同様、個性や特徴があるとされており、SCPA-JP-00357が表すこの新しい革命的な存在に対して、多くのユーザーからは猫派遣会社に対するダイレクトメールやファンレターが送られている。SCPA-JP-00357は、利用者から守られ、飼われるための「守護者」として機能し、猫派遣会社のユーザーにとってはパーティー等のイベントに使用されたり、自走式の模型として利用されたりすることで、その存在感を示すことができる。

また、SCPA財団内でもSCPA-JP-00357を利用することで、あらゆる成功事例が多数報告されている。例えば、SCPA-JP-00357を用いたプロトタイプの削減を考慮した新製品の開発や、SCPA-JP-00357の特性を持つ新たな特許の提出であり、SCPA-JP-00357がスポットライトを浴びる含意を意味している。

しかし、SCPA-JP-00357がこのような多目的に利用された場合、深刻な課題が発生する可能性があることも示唆されている。その領域を横断して多数の大学と研究機関が支援しているため、SCPA財団内部ではSCPA財団が専心するべき分野を特定する作業が重要視されている。SCPA-JP-00357はSCPA財団が管理する異常生物の中でも強力な個体であるため、SCPA財団がSCPA-JP-00357を保有する立場を問われる事態が生じた場合、SCPA財団は透明性を保ちつつ、適切に情報公開し、対応することが求められるだろう。

補遺:
SCPA財団による調査結果によって、SCPA-JP-00357には新しい特性が発見された。SCPA-JP-00357は高度な遺伝子修飾技術によって誕生した異常生物であり、所有者は独自の証明書を取得し、権限を有する書類を持つ必要がある。SCPA財団が所持する許可書には、SCPA財団と「猫派遣会社」会員の特権、使用可能な情報クラス（およびクラスの目的）、およびSCPA-JP-00357の取り扱い方針が記されている。

SCPA-JP-00357は、多数の活用法が提案されているが、その従来の専門家たちはSCPA財団のためにSCPA-JP-00357の活用法の検討を担当している。日本国内ではSCPA-JP-00357の借り入れが盛んであり、利用めて者からは、SCPA-JP-00357の再貸し手に向けた苦情が発生しているという報告も収集されている。このことはSCPA財団がSCPA-JP-00357を所有するのは危険であるためである。SCPA財団は、SCPA-JP-00357を適切に取り扱い、SCPA-JP-00357の活用方法に関する変更があった場合は、SCPA財団の情報系統内に同期し、貸し出し企業等に適宜情報提供することが必要である。それにより、SCPA財団は適時かつ適切な情報提供を行い、SCPA-JP-00357の管理に関するスタンスを明確にすることができる。

注意事項:
SCPA-JP-00357は、人間とのコミュニケーションに対応する異常能力を有しているが、SCPA財団指定のパートナーにおいてのみ行われるものであり、一次関係者の免許なしにSCPA-JP-00357と直接コミュニケーションを行うことは固く禁止されている。

SCPA-JP-00357の施設内での操作、トレーニングなどは猫派遣会社の承諾が必要であり、管理担当者やトレーナーと大量生産、法律違反といった形で契約外取引をすることは許可されていない。

SCPA-JP-00357は、一般大衆における使用が禁止されている。SCPA財団と契約した者にしか貸し出しができないため、この種の契約をしていない個人や団体は、SCPA-JP-00357を使用しないでください。

SCPA財団に所属する職員は、SCPA-JP-00357の所有、使用、保管に際しては財団内部で指定されたプロトコルに従うことが必要である。

SCPA-JP-00357を移動させる場合は、警察や官公庁、SCPA財団の職員による承認が必要である。SCPA財団の特殊作戦スタッフによる護衛付きで移動させることが要件になる場合があるため、あらかじめSCPA財団の関係者に確認をおこなうこと。

記録番号:
SCPA-JP-00357

報告者:
SCPA財団、サイト-44

承認者:
Site Director、O5評議会