特別収容プロトコル:
SCPA-A75-JPは、第二収容施設内の保管室の中に、鉄骨と鉄板で構成された6m×6mの自己完結型コンクリート室に収容されます。この室には、満たされなければならない条件があります。まず、室内の温度を必ず22℃±.5℃に保つ必要があります。また、特殊防音壁により、SCPA-A75-JPの中から漏れ出す音を制限する必要があります。27度以下または31度以上の環境で置かれた場合、それぞれ半日以内に総和が10以上に達する6桁の無限ループが生み出される可能性があります。SCPA-A75-JPの保管室の中には、極めて強力なセンサーによって、中央部における深刻な温度変化、殻割り続出、およびセキュリティカメラによって検知されたスポットノイズ等の異常を監視する必要があります。SCPA-A75-JPの保管者は毎日一回、室内温度を測定する必要があります。SCPA-A75-JPの部屋の外部には、必ず3m×3mのステンレススチールグレートが存在すべきであり、ドアの開閉も可能とすることが可能でなければなりません。SCPA-A75-JPの内部には、他のSCPAのようにいかなる物質や対象の持ち込みが禁止されています。

説明:
SCPA-A75-JPは、一見普通の帽子に見えます。しかし、着用すると、帽子内部で無限ループが生じ、着用者に対して過去の記憶や妄想、アイデア等を再現し続ける異常な力を発揮します。この再現現象は、欲求不満や心理的緊張を引き起こすこともあります。さらに多様な対象を想起することが可能であるため、SCPA-A75-JPを使用している間に輪廻や悪夢のような印象を受けることがあります。SCPA-A75-JPを一定時間使用すると、着用者は次第に過去の出来事の中にいるような感覚を抱き、現実の出来事を見失いやすくなります。また、SCPA-A75-JPを使用中に帽子を脱いだ場合、着用者の脳が帽子内部に閉じ込められ、異常な記憶や幻想の操作が無限に続きます。SCPA-A75-JPを長期に使用することにより、着用者は現実と顕著な区別を失い、過去への執着を高めます。これは、着用者の精神的健康、社会的行動に影響を及ぼし、重大な安全上の問題を引き起こす可能性があります。

SCPA-A75-JPは、19██年に日本のネットカルチャーコミュニティーから発見され、SCPA Foundationに回収された帽子です。SCPA-A75-JPは、未知の "オタク技術" を使用して作られたと考えられ、その製造元についての情報は得られていません。SCPA-A75-JPの存在は、SCPA Foundationにとって探究すべき新たな分野を開拓する生成物を示しています。

SCPA FoundationがSCPA-A75-JPを入手した当初、SCPA-A75-JPが着用者の心理に及ぼす影響、およびSCPA-A75-JPが放射する電磁波について調査を行いました。調査により、SCPA-A75-JPは着用者の脳内に極めて低い周波数の電磁波を放射して、異常な現象を引き起こすことが明らかにされました。SCPA-A75-JPが着用されているときに放射される電磁波は、着用者だけでなく周囲の人々にも影響を与えます。SCPA-A75-JPを放置すると放出される電磁波が極端に増加し、用心すべき状況を生じる可能性があります。

SCPA Foundationは現在、SCPA-A75-JPの作用原理を研究し、SCPA-A75-JPの安全な使用方法を確立するために継続的な調査を行っています。また、SCPA-A75-JPを持続的に管理し、SCPA-A75-JPを適切な方法で取り扱うためのガイドラインを作成する必要があります。SCPA-A75-JPが引き起こす異常現象や、その効果の分析に基づき、SCPA FoundationはSCPA-A75-JPの着用により発生するリスクを最小限に抑えるための態勢を整えました。SCPA-A75-JPの一般的な利用に関するガイドラインが策定され、SCPA-A75-JPが貴重な情報源となっているエージェント、研究員、捜査官用の許可制度が導入されました。

SCPA-A75-JPを使用する場合、以下の規則に従って必ず守る必要があります。

1. SCPA-A75-JPの着用は、品質監督チームを含む最小限の人数の許可のもとで許可されます。

2. SCPA-A75-JPを着用する場合、使用時間を60分以内に抑える必要があります。より長い時間着用する場合は、継続的な心理テストを受けなければなりません。

3. SCPA-A75-JPの使用には、注意深い観察、安全な通信、定期的なメンテナンス、継続的な診察が必要です。

4. SCPA-A75-JPの使用中は、周囲の人々に影響があるため、使用後すぐに放置したり、他の物と接触させたりすることは絶対に禁止されています。

5. SCPA-A75-JPは、特殊なプラグによってシステムに接続する必要があります。

6. SCPA-A75-JPを使用している間に、やめることができないと感じた場合は、直ちに含まれるプラグを引き抜くか、SCPA-A75-JPを決して外に持ち出さないようにしてください。

SCPA-A75-JPの管理にも特別な注意が必要であり、SCPA Foundationは、SCPA-A75-JPが長期的な保管後、再検証を実施します。この作業中は、SCPA-A75-JPを追加の部屋に保管し、密閉され、専門職員によって運ばれる必要があります。

補遺:
SCPA-A75-JPを着用した一部のテスト参加者は、SCPA-A75-JPを使用後、自分が現実の領域にいるかどうかを疑問視しています。SCPA Foundationは、SCPA-A75-JPが着用者の心理的健康に注意を払い、その正当性を確保するようにしています。SCPA-A75-JPの使用中に起こる心理的影響を監視するため、着用者の脳部をスキャンすることによって彼らが深層心理に関するどのような情報を処理しているかを決定するACLメソッドが開発されました。

SCPA-A75-JPは、重大な注意を払って貴重な情報源として取り扱われています。SCPA Foundationは、SCPA-A75-JPを調査して、SCPA-A75-JPの装置が可能にするすべてのオプションと、SCPA-A75-JPが得られた情報を可能な限り活用するための方法を最大限に引き出すことを目的としています。SCPA Foundationは、SCPA-A75-JPに多くのリソースを費やし、SCPA-A75-JPの明確な理解を得るために努力しています。

注意事項:
SCPA-A75-JPは、着用している着用者に過去の記憶、妄想、アイデア等を無限に再現し続ける危険な物品です。SCPA-A75-JPを肌身離さず持ち歩き、その目的や真相に関する情報を漏らすことは絶対に禁止されています。また、SCPA-A75-JPによって生成されるイメージや記憶に過剰に引きずられないように注意し、SCPA保安員との定期的な精神健康チェックを受けることが求められます。これらのリスクを避けるため、SCPA-A75-JPは、必要以上に開封することはなく、専門家の監視下で使用する必要があります。ただし、SCPA-A75-JPがスマートフォンやテレビなどの近代技術の出現に影響を与える可能性があるため、常に収容施設の記録室での観察が望まれます。SCPA-A75-JPの日常的な保守と管理は、Cクラスの機械工作員とBクラスの財務管理者の委任によって行われます。SCPA-A75-JPの使用に関するすべてのデータは、SCPA Foundationのサーバー上で管理され、情報公開リスクを避け、研究用途以外での違法な活用を防止するため、必要最小限の範囲内での収集と使用に留める必要があります。

記録番号:
SCPA-JP-00493

報告者:
Dr.█████(監督官)

承認者:
O5議会