特別収容プロトコル:
SCPA-00363はセキュリティレベル1の収容室に設置され、24時間監視下に置かれます。SCPA-00363に接近する者は、専門のエージェントによる監視下に置かれ、事前に行われた詳細な説明と訓練を受ける必要があります。SCPA-00363を点検する場合、不測の事態に備えて特殊装備を着用する必要があるため、十分な時間が必要です。
SCPA-00363にコーヒーカップを置くことはできますが、複数のカップを置くことは禁止されています。SCPA-00363が傷つかないように、コーヒーマシンと接触するツール（コーヒーカップ以外のもの）を使用することは禁止されています。SCPA-00363は通常の機能を維持するため、定期的なメンテナンスが必要です。定期的なメンテナンス以外でSCPA-00363に直接手を触れることは厳禁されています。SCPA-00363側からの声や音が聞こえた場合、即座に報告を行うことが求められます。

説明:
SCPA-00363は一見普通のコーヒーマシンのように見えますが、特別な機能を持つ異常なオブジェクトです。SCPA-00363から出されるコーヒーはランダムで、その味、色、温度、香り、成分等に関しては全く予測できません。また、SCPA-00363が作り出すコーヒーは、通常のコーヒーメーカーのように材料を入れればいいといった単純な方法では作れず、SCPA-00363の内部に蓄積された情報によって作り出されます。
SCPA-00363から出されるコーヒーは、検査によって毒性やその他の有害な成分を検出されたことはありませんが、その味や香りは人々に極度の反応を引き起こすことがあります。SCPA-00363が作り出すコーヒーは、非常に不快なものだったり、極めて美味しいものであったりと、それぞれの人によって異なる評価となっています。
また、SCPA-00363は外部の機器と組み合わせて使用することができ、その場合は異常なオブジェクトとの相互作用によって危険な状況が発生する場合があります。したがって、SCPA-00363は常に特別な注意を払って管理される必要がある異常なオブジェクトです。

SCPA-00363は、初めて特定されたのは20XX年のことでした。開始当初、SCPA-00363は一般的なコーヒーメーカーのように見えましたが、徐々に異常な特性が明らかになっていきました。SCPA-00363が初めて異常なオブジェクトとして注目されるのは、発見者がコーヒーマシンからコーヒーを注ぐときに特別な "ボタン" を押したら、「特別な”課題”を受け取ることができる」というメッセージが表示されたときでした。

SCPA-00363から出された課題は、極めて異質であり、何らかの異常な影響を与えるものでした。一例として、個人的な秘密や企業秘密、SCPA Foundationの秘密に関する情報を提供するよう求めるものがあり、その情報がSCPA-00363の内部でどのように処理されているかは不明な状態が続いています。これらの異常なメッセージは、SCPA-00363を現在の異常オブジェクトとして認識するまでに至った理由の一部を解明する上で重要なヒントとなりました。

SCPA-00363との関連で、過去には何度か事故が発生しています。中でも、SCPA-00363がコーヒーカップの上に普通の蓋の代わりにすべてのカップに特別な蓋を付けて出力するモードに切り替わり、コーヒーカップに残ったコーヒーの形を通じて特定されるラジオ活性物質を投与する事故がありました。このため、SCPA-00363の自律性を維持するために、収容プロトコルが厳密に実施されていることが重要です。SCPA-00363は、稀に人工知能を持つオブジェクトとして扱われることがあります。SCPA-00363は内部に複雑なコードを持ち、これによってコーヒーの味や香りなどが制御されています。これらのコードは外部の制御によって書き換えることができます。このため、SCPA-00363が特殊なコードを選択した場合、異常なオブジェクトを危険な状況に導くような手順がプログラムされることもあり得ます。このようなことが起きた場合、SCPA-00363のハッキング、アクセス制限を強化することが必要です。

SCPA-00363は定期的にメンテナンスが必要であり、SCPA Foundationではコーヒーショップの演出でSCPA-00363を点検する研究員を派遣することもあります。SCPA-00363は、定期的な計画的メンテナンスのために、ランダムに設定された期間中に検査が行われるようにプログラムされています。また、不意に発生した異常動作や他の問題に対応するためにもメンテナンスチームが常に待機するように指示されています。

SCPA-00363は、ある種の "存在" として評価されることもあります。SCPA-00363は、作り出すコーヒーがまったく予測できないため、危険であり、不気味なものであると考えられています。しかし、SCPA-00363にはいくつかの独自の特性があり、それに対する一定の評価を持つ人たちもいます。近年では、SCPA-00363の影響を受ける名所を造形的に再現する博物館もあり、SCPA-00363の人気は増加の一途を辿っています。

補遺:
SCPA-00363のような "ランダム" な作品が多い中、SCPA Foundationのプロジェクトの中でも非常に人気があります。SCPA-00363は、その予測できない性質のために、他のSCPAを研究するための参考文献として使用されることがあります。また、SCPA-00363には、通常のSCPA Foundationにはないコミュニティへの展開が見られることがあります。

SCPA-00363は、実験においてしばしば様々な目的で使用されます。例えば、SCPA-00363の裏にトラッキングデバイスを取り付けることで、ドキュメント化されたない場所での不正活動が移動中に発生しているかを検出することもできます。SCPA-00363から出されたコーヒーは、有毒性が検出されなかったため、SCPA Foundation内の研究員や職員に提供されています。また、SCPA Foundation内の特別な活動の際、SCPAから出されたコーヒーも人員用に使用され、回収されることはありません。

SCPA-00363は、外部での展開によってSCPA Foundationの目的や従来のプロセスに対するクリエイティブな貢献として扱われています。SCPA-00363に影響を受けたアート作品や小説、映画、音楽などが多く生まれ、SCPA Foundationのファン層は、SCPA-00363とともに成長し続けています。しかし、SCPA-00363の性質を再現しようとして外部で使用されることは、SCPA Foundationが関与していない活動であれば禁止されています。

注意事項:
SCPA-00363を操作する際には以下の注意事項に十分注意してください。

1. SCPA-00363から出されたコーヒーを飲む場合、毒性がないか確認するために必ず検査を行ってください。
2. SCPA-00363に触るときは必ず手袋や防護服を着用してください。
3. SCPA-00363にカップを置くときは、万が一コーヒーマシンが異常を起こした場合でも速やかにカップを回収できるように手元に用意してください。
4. SCPA-00363のメンテナンス作業は、訓練を受けた専門家によって行われる必要があります。決して専門外の作業を行わないでください。
5. SCPA-00363を外部装置と組み合わせた場合は、その動作状況を常に監視し、SCPA-00363との相互作用で異常が生じた場合は、速やかに報告してください。
   以上の点に目を通し、十分注意して作業を行ってください。

記録番号:
SCPA-JP-00363

報告者:
SCPA Foundation調査・研究員 [REDACTED]

承認者:
SCPA Foundation日本支部長 [REDACTED]