特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00430は1日1回、各回とも別の収容室に移動させる必要があります。収容室は1体あたり最低20m×20mの広さが必要です。収容室の壁面は鉄筋コンクリート製で、内面には銀イオンが含まれた強力な非常食対策を行う特殊塗料を塗布してください。収容室内の床には、5cm程度の厚さの鉛板を敷き詰めることが必要です。

SCPA-JP-00430を収容室に移動させる際には、調査チームの全員が特殊防護服と呼ばれる防護服を着用して移動作業を行わなければなりません。SCPA-JP-00430の肉体表面に付着した体液を全身に浴びた場合、急性放射脳症のような高線量被ばくによる障害を発症する恐れがあるためです。また、SCPA-JP-00430は飛距離2m、高さ1.5m程度の跳躍を可能とする能力を持つため、 SCPA-JP-00430の収容室には天井から安全な高さまでの空間を確保する必要があります。

SCPA-JP-00430は移動作業時にも独特の負荷音を発生するため、移動前に収容室周辺警備員には移動の開始を通知し、警告を行わせることが必要です。また、移動中にSCPA-JP-00430が暴れた場合には、即時に耳栓を用いての聴覚防護を行い、警備員による再収容作業が必要となります。移動中は最低3名の警備員が移動に同行することが必要です。

説明:
SCPA-JP-00430は、人型のカエルのような異常な存在です。身長2mを超え、やわらかく滑らかな緑色の皮膚を持ち、額に2本の大きな眼を備えています。SCPA-JP-00430の筋肉の密度は人間よりも高く、筋力も競技感覚のある人間と比べても比類なきものとされる。

SCPA-JP-00430は、正常な人間に比べると食欲が強く、最低でも日本一大きい回転寿司屋である新宿の「四季彩」で創作握り寿司メニュー「SCPA-JP-00430専用 100皿セット」を完食することができる容量を持っていると報告されています。また、SCPA-JP-00430はときに小型車にでも匹敵する大きな跳躍力を発揮し、これにより高速動き回る特定の動物（例えば鹿、ウサギなど）を捕獲することが出来ます。

SCPA-JP-00430は強力な再生能力を持つ異形の存在です。SCPA-JP-00430の傷は、通常の方法で造作なく再生を始めますが、SCPA-JP-00430の傷口から分泌される体液は極めて放射線を含んでいるため、SCPA-JP-00430自身あるいはSCPA-JP-00430の体液に触れた人間に急性放射線障害を発生させる危険性があります。SCPA-JP-00430を扱う際には、放射線遮蔽材の使用や保護服の着用を行うことが必要不可欠であるとされています。

SCPA-JP-00430の身体構造は、ある類人猿の種類に近いものがあることが報告されています。特徴的なほこりっぽい足の指の先には、強靭な爪があることも確認されており、これによってSCPA-JP-00430の登攀能力は非常に高いとされています。

SCPA-JP-00430には、特定の音波が影響を与える可能性があることも明らかになってきています。SCPA-JP-00430の安定性を保つために、収容室内には低周波音を流すアンプが配置されており、これによってSCPA-JP-00430を沈静化させることができます。また、SCPA-JP-00430と同様に脳波に干渉する特定の周波数の信号を放射する電波発信機も、SCPA-JP-00430の制御・調整には重要となります。

SCPA-JP-00430の生態系において、SCPA-JP-00430が食べている餌は他の動作を捕食する場合が多いことが報告されています。SCPA-JP-00430が棲息する場所においてはしばしば集中的なサイレン音が響くとの関連調査報告があることから、SCPA-JP-00430が人間社会の近くにいることも考えられます。SCPA-JP-00430が元々存在した場所は不明で、調査チームはSCPA-JP-00430が果たして自然由来の存在なのか、あるいは人工的な生物兵器である可能性があることを視野に入れています。SCPA-JP-00430は、報告書によれば"生らくら"というアルバイトの求人広告を通じて回転寿司チェーン店の社保さん、社員候補として採用され、雇用関係を築いたと言われています。SCPA-JP-00430は、隠遁生活が長期にわたって影響していたため、抜け出すことが出来る機会を逃すことが多々あったため、収容プロトコル期間中には、SCPA-JP-00430を給与として改めて報酬を提供することが必要です。

SCPA-JP-00430の身体構造や行動パターンを研究するため、Foundation内部でSCPA-JP-00430の遺伝子マッピングを行いました。その結果、SCPA-JP-00430のDNAには、特殊な遺伝子工学によって人為的に変異を与えられた遺伝子が多く見受けられました。これによってSCPA-JP-00430の体躯や筋肉量、再生能力などが非常に高いレベルで改変されていることがわかっています。

また、SCPA-JP-00430は極めて頑丈であり、米軍が運用しているMAV（Micro Aerial Vehicles）を銃の代替として使用した有事の際に、SCPA-JP-00430同種が僚機を撃墜する事例が複数報告されています。こういった事例から、SCPA-JP-00430同種の群居行動も報告されているそうですが、その真偽は不明のため、今後の調査が必要と考えられています。

補遺:

補足情報として、SCPA-JP-00430を求めているカルト教団の存在が確認されています。このカルト教団は、SCPA基金会によってSCPA-JP-00430が収容されている施設の隣に自身の拠点を構えており、SCPA-JP-00430に対し異常な崇拝をしているとの報告がなされています。

報告によれば、このカルト教団はSCPA-JP-00430の生存と再生能力を信仰し、SCPA-JP-00430の肉体から得られる特別な体液や酵素を宗教的な儀式に使用することがあるとされています。SCPA-JP-00430を安全に収容するためには、このカルト教団の行動を監視し、可能な限り排除することが必要です。

また、SCPA-JP-00430はその孤独とストレスから脱走を計画しているという報告があります。いかなる形であれSCPA-JP-00430の脱走が発生した場合には、直ちに最高責任者へと報告するように指示されています。

注意事項:
SCPA-JP-00430は極めて危険な実験対象となりうる存在であるため、SCPA Foundationの要請なしにそれを扱うことは絶対に禁止されています。SCPA-JP-00430の肉体表面に触れた人間は、急性放射線障害を発症する危険性があります。SCPA-JP-00430を扱う場合には、SCPA Foundationの承認された特別収容プロトコルと適切なレベルの機密保持規定に従って行われなければなりません。

SCPA-JP-00430の着陸地点や生息地は、SCPA-JP-00430を解明する研究のための検証場所であり、特別収容プロトコル以外の方法でSCPA-JP-00430を保護する措置は控えられます。SCPA-JP-00430を収容する場合には、依存的な人工光源や放射線遮蔽材など、SCPA-JP-00430に対する過剰なリソースの消費を避けるために最小限にとどめるよう努めなければなりません。

SCPA-JP-00430に関連する通信にログインしたFoundation職員は、SCPA-JP-00430を指す地球外生命体に関する用語や、SCPA-JP-00430本体・SCPA-JP-00430と接触する生命体・SCPA-JP-00430の観察場所の特定の呼称を使用しないでください。 SCPA-JP-00430の外周警備員たちには、負荷音源妨害機器が配布され、SCPA-JP-00430が暴れた際の警告を迅速かつ完全にすることが可能です。障壁に残留している放射性物質は、必要に応じて、各管轄区域のSCPA貯蔵庫にて処理されます。

記録番号:
SCPA-JP-00430

報告者:
XXXXX博士

承認者:
XXXXX長官