特別収容プロトコル:
SCPA-JP-00391は1人の男性の操る愛玩用のマニキンによって構成されるものです。この男性は「コージ」と名乗っていると報告されています。

SCPA-JP-00391を保管する倉庫には警備員を常駐させ、コージの接近や不審な行動を監視します。SCPA-JP-00391自体は手袋を着用した認定レベル3以上の職員のみが取り扱い、取り出すことができます。

取り扱う職員は、SCPA-JP-00391を持ち上げたり、接触したり、触ったりしてはなりません。SCPA-JP-00391に対して陽性の反応が現れた場合や、保管中に変化があった場合は、直ちに責任者に報告し、調査を始めてください。

SCPA-JP-00391は一切移動させてはなりません。装置の移動などが必要な場合は、ドクター・マウザーとの打ち合わせのもと行うことができます。

説明:
SCPA-JP-00391は「人形の愛好家」の異名を持つ人物によって所有・操縦されているマニキンです。SCPA-JP-00391自体に異常性は見られませんが、コージとの深い関係によってその存在意義を持っています。

SCPA-JP-00391の使用用途は、主にコージによって人形作りの材料として使用されています。SCPA-JP-00391を構成するパーツは非常に珍しい素材から作られており、一般的なマニキンとは根本的に異なります。

SCPA-JP-00391がコージによって使用されると、彼に言わせれば、人形は「魂である」と語る程の思い入れを込められます。SCPA-JP-00391を用いた制作物は、非常に高い評価を受けることがあります。

SCPA-JP-00391の特徴は、制作物に関しては膨大な時間を掛け、独自の技法や素材の組み合わせを繰り返し試行錯誤して作り上げることです。コージはSCPA-JP-00391から大量の人体部品を摘出することはありません。

SCPA-JP-00391自体は取り扱いには問題がないとされますが、コージに対しては注意が必要です。彼はSCPA-JP-00391に対して強い愛着を持ち、その愛着に際して暴力的な行動を取ることがあります。コージの感情が不安定になった場合は、別撤収を検討する必要があるでしょう。

SCPA-JP-00391を使用して制作された人形は、その美しさと精巧さ、そしてリアルさから多くの人々を魅了しています。SCPA-JP-00391自体も作業スペースの中で一種の芸術作品として扱われることがあります。

しかし、SCPA-JP-00391を巡る一連の奇妙な出来事も報告されています。例えば、SCPA-JP-00391に近い場所にいると、時間がどんどん進んでいくような体感を覚えたり、時計が狂ったように動いたりします。また、SCPA-JP-00391の周りには、夜になると影が生じたり、霧が出てきたりすることもあります。

また、SCPA-JP-00391を使用した作業や制作中は、コージとのコミュニケーションが重要視されます。コージは制作の過程でSCPA-JP-00391に対して会話をすることがあるとされ、その内容は非常に奇妙であると言われています。周囲の人々に聞かれたり、録音されたものを聞いても、どう議論しても通常の人の発言とは思えない独特の言語が使われています。

SCPA-JP-00391の背後には、コージが管理する小規模な「マニキン工房組合」があります。この組合では、SCPA-JP-00391を使用した製品開発が進められていることが報告されています。保管場所である工房内には、計画中の製品の設計図や工程表、さらにはSCPA-JP-00391の構造に関する詳細な資料が保管されているとのことです。SCPA-JP-00391が生成する影に対してさらに調査が進められていることが報告されました。この影は、極めてリアルな形状を呈しており、一部の研究員はSCPA-JP-00391自体が影を生成するかのような影響を与えていると推測しています。しかし、現在のところSCPA-JP-00391自体からは何も検出できないため、この検証はまだ続いています。

また、SCPA-JP-00391自身になんらかの物理的自己変化が発生している可能性が指摘されています。特に、SCPA-JP-00391の小指について、周期的に異常な色調が表れることが報告されています。これについての検査結果については、SCPA財団本部の検査室で確認されていますが、原因は不明のままです。

SCPA財団本部では、SCPA-JP-00391の独自性が示唆される、更なる詳細な研究が開始されています。SCPA財団では、SCPA-JP-00391が魂と言及されるような不可思議な性質を持っていることから、他のSCPAと連携して、精神オブジェクトを扱う研究室とも連携しています。今後の研究によって、SCPA-JP-00391がどのような影響をもたらすかについて、さらに多角的な視点から詳細に調査していくつもりです。

補遺:
SCPA-JP-00391に関する調査の最中に、SCPA財団のエージェントによって所在地についての情報が明らかにされました。SCPA財団のエージェントはコージとの面会を試み、その結果、SCPA-JP-00391の管理倉庫がある場所が明らかになりました。

SCPA財団は、その情報をもとに、SCPA-JP-00391の管理倉庫に場所を移し、研究に役立てることにしました。その際、管理倉庫には特別な防音室を設置し、SCp-JP-00391の音響特性に関する詳細な検査を行いました。

また、エージェントによって入手した情報によると、コージはSCPA-JP-00391を所有する前に、多数の人間とともに暮らしていたとのことです。詳細な事情は不明ですが、SCPA-JP-00391の所属する「マニキン工房組合」の評判に関する激励的な文言が残っていました。

この情報をもとに、SCPA財団本部では、SCPA-JP-00391の所属する「マニキン工房組合」に関する調査を計画しています。SCPA財団本部では、SCPA-JP-00391の所有者であるコージと、彼が持つ人形制作の技能についてのさらなる情報を得る事が目的です。

注意事項:
SCPA-JP-00391は、治安維持策や保管プロトコルの厳格な管理を必要とする危険性を内包しているため、SCPA財団職員がこのオブジェクトを扱うときには、最大限の注意を払ってください。

SCPA-JP-00391の管理を担当する職員は、コージの急激な感情変化や調子の悪い態度、異常な周波数の電波、端的に言えばSCPA-JP-00391に関するあらゆる変化に敏感に反応する必要があります。彼にアプローチする際には、確実に個人情報を確認し、何らかのチェックを施すことを強く勧めます。

SCPA-JP-00391の保管区画には、SCPA財団職員が待機して、オブジェクトの監視と管理を行っています。オブジェクトによる感染や異常行動に対しては、速やかに保管区画を閉鎖し、SCPA財団の玄関口に報告する必要があります。

監視のためのカメラ・センサー・スタッフ等も設置し、SCPA-JP-00391の異変を監視するようにしましょう。及びコージによる人形制作用の素材のリサーチや購入履歴等にも注意して調べることが重要です。

記録番号:
SCPA-JP-00391

報告者:
████ ██████ [Researcher ID: ████-█████-███]

承認者:
Dr. █████ [Level 4 Guarding]